Crow's Note

観たモノ(特撮、映画、アニメ)の感想などを勝手気ままかつ、不定期的に綴る隠れ家系語りBlogです。

宇宙TV局がウシオに密着取材!?ウルトラマンR/B(ルーブ) 第18話「明日なき世界」 感想

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空色カラス
■ウルトラマンR/B(ルーブ)
第18話 明日なき世界第18話より
第18話「明日なき世界」 [2018年11月3日放送]
脚本:勝冶京子 監督:神谷誠

 
 前回も割合、突拍子のないお話でしたけれど、今回は輪をかけて突拍子のないのお話だったなあ、と。ドキュメンタリー番組の体で撮られた『X』の「激撮!Xio密着24時」と、お父さん頑張っちゃうよ系なお話としては永久保存版な『オーブ』の「ハードボイルドリバー」を足して2で割ったような、随分混沌としたお話だったなあ、と。ただ、ドキュメンタリーの体で撮ってるのに、映っちゃいけない視点の映像が入ったりして微妙に完成度を欠いた『X』の「激撮!Xio密着24時」と思うと、徹底して番組パートの映像はそういう視点が入らないようにしていたりと、ちゃんとそういう番組の体で作っていたのは好感が持てたし、『オーブ』、『ジード』で娘のために頑張るお父さんを描いているのもあってか、ウシオさんが頑張る理由に変化をつけてきたのはよかったですね。

 1300年ぶりに地球にやってくる怪獣撃退のために、美剣が地球を爆破すると宣言をしたことを機に、侵略に飽きた宇宙人でさえも観光に来るような今一番宇宙で注目されている星に地球がなってしまったことで、そんな星で番組を作れば視聴率が取れるという安易な考えで宇宙人専用チャンネルの宇宙TV局が取材に来るというだけでも結構カオスなんですけどね。ただ、これまで宇宙人(チェレーザを除く)が地球に来なかったエクスキューズになっているのは嫌いじゃないというか。にしても、地球侵略は、『オーブ』同様に宇宙人の間では古い概念なんですね。

 しかし、地球に番組を作りに来た宇宙TV局のクルーが今回の主役というのもあって、前回に引き続き湊兄弟が話の中心にいなければ、ただ単に事件を解決するだけのデウス・エクス・マキナと化しているのもあって、正直この番組ってなんだったっけ?と思わずにはいられない部分もあったり。 視聴率取るためだったらヤラセでもやるディレクターのメフィラス星人と、メフィラス星人にいいように扱われてるADのザラブ星人が話を動かしていくのは面白かったですけど。しかし、番組を盛り上げるための演出の果てに、湊兄弟の怒りを買ってトリプルオリジウム光線で爆殺されるメフィラス星人の扱いはあまりにぞんざいだった気がしなくもないというか。

 というか、前回のお話で、大御所様に昔からウルトラマンと怪獣はいっつも戦ってて悲しいと言わせたそばから、メフィラス星人爆殺って腑に落ちないものがあるかなあ、と。番組の視聴率のためにウシオさんを利用して見せものにした湊兄弟にとっては許せない敵かもしれないけれど、殺される必要があったかというとちょっと首を傾げるかな、と。アレで死んでないなら死んでないで、戦いのあとで満身創痍のメフィラス星人がどこからともなくひょっこり出てくるみたいな演出は欲しかったかも。

 にしても、ニセのアサヒちゃん(ザラブ星人の変装)で誘き出されて、番組作りのために利用されたウシオさんだけれど、そんな自分を騙したザラブ星人を咎めることもなければ、メフィラス星人に裏切られて爆弾に磔にされたままの彼を見捨てたりしないのもよかったし、妻のミオさんとの約束を守るために、そして、ミオさんが帰ってくる場所を守るために地球爆破爆弾解除のために奮闘する様はグッとくるものがありました。あと、ウシオさんとザラブ星人との間で、なんか謎の友情が生まれていたのもよかったな、と。ただ、あのあとザラブ星人がどうなったのかは気になりますが…

 特撮面としては、イメージ映像とは言え、巨大美剣サキにはちょっと笑いましたね。メフィラス星人回だけに、巨大フジ隊員のオマージュなんでしょうけれど。しかし、ザラブ星人がなりすました偽物なので、つり目になっていたりと前回に引き続き妙なところに力入ってんな、と。そして、ウシオさんが地球爆破爆弾と対峙する後ろで、暴れるメフィラス星人と戦っているロッソとブルの合成の自然さ。メフィラス星人に蹴りを入れられたブルのお尻が真っ赤になってるコミカルな演出とかもよかったな、と。

 それはさておき、体調不良と、更新時間の取れなさもあって、今回はシーンごとの感想はなしの縮小更新とさせていただきます。多分、12月の初旬まではこんな具合になってしまうかと思いますが、ご了承いただきたく思います。気が向いたら追記するかもしれません。
 

奇想天外なパーティーの幕開け!? ウルトラマンR/B(ルーブ) 第17話「みんなが友だち」 感想

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空色カラス
■ウルトラマンR/B(ルーブ)
第17話 みんなが友だち
第17話「みんなが友だち」[2018年10月27日放送]
脚本:皐月彩 監督:辻本貴則


 今回のお話。本音を言えば、辻本監督の特撮演出と、アサヒちゃんのガッツ星人コスくらいしか期待していなかったんですが、正直なところ本当に面白かったというか。下手をすると、自分の本当に観たかった『ウルトラマンR/B』って実はこういう雰囲気の作品だったんじゃないかなって思いました。ご町内ヒーローモノとしてもそうだし、ホームコメディドラマとしてもそうだし。

 これまでの『R/B』って、変にお硬いだけでなく、ところどころコメディを履き違えている印象があったり、ホームコメディにしてはあまりに家族がギスギスしてたり、苦悩してたり、特に愛染が正体を晒してからは爽快感を欠くお話が多かった印象がありました。今回のお話はそういうのがなかったというか、ストレートに観てて楽しかったし、最後の引きも興味を引くものがありました。

 何よりよかったなあ、と思うのは、宇宙人や怪獣同士の慰労会の日程を大御所様に間違って送ってしまったことをきっかけに、ダダとピグモンがパーティーの人手集めに奔走していたところを、ハロウィンパーティーの会場がなく途方に暮れていたアサヒちゃんと友達がそれに巻き込まれるというか、偶然出会ったピグモンについていったことをきっかけに何故か宇宙人たちとパーティーの準備をすることになるという、ある種のアンバランス・ゾーンに巻き込まれてしまった感じがとてもよかったな、と。ハロウィンだからということで、町に怪獣や宇宙人が紛れてても、それが仮装している人だと思いこんでしまうのも割と自然だったかなと思いますし。

 ただ、JK3人組がやたらめったら知らない相手についていったり、知らない人の家に勝手に上がり込んだりというのはちょっとまずいんじゃ…とは思いますが。まあ、そういうツッコミどころはさておき。

 大御所様がウルトラマンが嫌いだと思い込んだダダが暴走して、ウルトラマンに戦いを仕掛けるも、悪意があって地球にいるわけでもなく、悪意を持ってウルトラマンに挑んだわけでもないからウルトラマンに倒されたりせず。その代わりに、終盤に出現した大御所様に、そんなんじゃいつまで経ってもみんなが仲良く出来ないと諭され、懲らしめられるというオチも嫌いじゃなかったですね。

 にしても、長きに渡っての怪獣とウルトラマンの宿命を悲しみ、みんながハッピーになるパーティーをずっと昔から考えていたという旨をウルトラマンと同等の歴史を持ち、円谷の歴史を見守ってきたであろうあの大御所様に語らせるのはあまりに説得力がありすぎるだけでなく、『ウルトラマン』という作品を改めて考えさせるウルトラ作品である『R/B』らしい展開だったのかな、と。

 そして、美剣の件。かつて美剣にも兄弟がいたが、戦いに負けて星になった。つまり死亡した、と。そして、兄弟が戦いに負けたことをよく思わない美剣は、兄弟の失敗を晴らそうとしている。そして、美剣は本物のジャイロの所有者で、ウルトラマンに対して一家言ある人物。星になった兄弟。あやか星。そして、1300年ぶりに地球にやってくる謎の怪獣の存在と、地球を犠牲にしてでもそれを倒そうとする美剣。これら全ての事柄を一本の線で結ぶと、美剣の正体は1300年前にあやか星として落ちてきた先代のロッソ・ブルを兄妹に持つ女性で、1300年前に倒せなかった怪獣を自分の手で倒そうとしているという推察ができるわけですが…

 そう思うと、これまでの言動通り悲壮な覚悟を持って行動しているのかなというのが、片鱗とはいえ伺えるのかな、と。しかし、そうなるとアサヒちゃん以外に敵意を剥き出しにして怪獣を召喚してくる意図が分からないというか。「私たちのミスに君たち兄妹は関係ない」というのなら、何故湊兄弟の変身するロッソとブルに敵意を向けるのか。言動にいまいち一貫性を見いだせないので、やっぱり現状としてはよく分からないキャラクターだなあ、と。

 それはさておき、滝をはじめとする水回りのミニチュアの力の入れよう。話に関係ないところに力いれすぎだろ!と。しかも、その滝と滝の使いかたがひとつの見どころだと聞いていたので、何か戦いに利用するのかなと楽しみにしてたら、「水最高!」って。遊んじゃってるとは言ってたけど、いくらなんでも遊びすぎでしょうよ、辻本監督。変身のときにイサミがアイテム間違えるくだりとか、ブルの頭に木の枝が引っかかってるくだりとか遊び倒しまくってるなあ、と。

 でも、変にお硬いストーリーの『R/B』よりも、そうやって1話1話作り手が楽しんで遊び倒してるけど、決して悪ノリでもない。いい意味で振り切れてる『R/B』が僕は見たかったのかなあ、とちょっと思いましたね。愛染といい、ちょっと悪ノリが過ぎたかな、と。

ハッピーは地球を救う! ウルトラマンR/B(ルーブ) 第16話「この瞬間が絆」 感想

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空色カラス
■ウルトラマンR/B(ルーブ)
第16話 この瞬間が絆
第16話「この瞬間が絆」[2018年10月20日放送]
脚本:柳井祥緒 監督:辻本貴則


 今回の冒頭で、美剣と、裏切ったダーリンの手によって、愛染マコトの身体から強制的に切り離されてしまい、退場を余儀なくされた精神寄生体チェレーザ。これで終わりではないのかもしれないけれど、一時退場にしてもあまりにお粗末な退場劇だったな、と。1クール以上もの間、兄弟のライバルキャラとして君臨し、お話的にも大風呂敷を広げてきた割にこんなかたちで退場なんて…。

 1クールもの間の中でなにひとつ積み重ねられないまま、ただウルトラマンごっこしてただけで終わった変な宇宙人でしかないというのがね。この先、再登場するにしても、美剣にいいように利用されたから兄弟に協力するでは薄っぺらすぎるし、仮にライバルとして再登場したとしても、愛染マコトとしての地位も名誉も除菌クラスターで剥がされてしまった(語弊あり)上に、オーブリングNEOも、ジャイロも持たないし、そもそも肉体がないからどちらも利用できない今のチェレーザに何ができるというのかというお話で。

 そして、アサヒちゃん絡みのお話。記憶と記録が食い違うからと言って、アサヒちゃんが存在していなかったと考えるウシオさんの考えは早計すぎるし、そういうウシオさんの言葉を疑い、ミオさんがアサヒちゃんの写真や母子手帳を持っていったものと確信しているカツ兄とイサミが、アサヒちゃんを探し始めた途端にアサヒちゃんの存在について半信半疑になってるというものがよく分からないんですよね。

 これまで大切な家族として接してきた相手の存在証明ができないからと言って、家族として過ごしてきた思い出まで疑うの?という。特にこれまでアサヒちゃんの言葉で何度も救われてきた兄弟ならば、一片たりとも疑念を抱くことなく、家族なんだということを強く信じ切ってほしかったな、と。逆に少しでも疑念を抱いておきながら、家族の証明が無くても、今アサヒちゃんが眼の前にいて、その瞬間こそが絆で、家族なんだ。という結局、なんの根拠もない理屈で決着をつけてしまうのはすっきりしないものがあるな、と。
 
 せめてアサヒちゃんの正体が何者かわかった上で、彼女が何者であろうとも湊家の家族なんだと受け入れるなら分かる。しかし、極端な話ではあるが、これでアサヒちゃんの正体が殺戮者としての本能が覚醒していないだけの敵性宇宙人だったときに同じことが言えるんだろうか、と。その可能性が絶対あり得ないことが決まっているからこその”結論ありきの結論”にたどり着いただけで、湊家の絆を描けたかというと何か違う気がするんですよね。あくまで表面だけというか。

 そして、美剣サキ。善か悪か、敵か味方か。そういう二元論を超越したところにいるキャラクターを描きたいにしても、あまりに真意を語らなすぎるというか。現状どっちつかずなだけで、そこまで深みのあるキャラクターになっていないかな、と。少なくとも今回、チェレーザを追放して、アイゼンテックを掌握。兄弟に対しては敵意を向けてネロンガを召喚しているので、現状としては誰の味方でもないことはだけは事実なんでしょうけれど。少なくともアサヒちゃんにだけは心を開いているので、”真の敵”にはなり得ない存在であることも恐らく間違いないのかなとは思いますが。

 しかし、現状の美剣は、彼女が言うほど自ら傷つかなければならないような道を選んで進んでいるようには見えないんですよね。『オーブ』のジャグラスジャグラーや、『ジード』の伏井出ケイ先生ほどのストイックさは感じないと言うか。意味ありげな言葉を言うだけで、中身が伴ってないというか。目的のためなら手段を選ばないという点においては、チェレーザ以上ではありますが。謎や真相を引っ張るだけ引っ張って雑に退場させられたチェレーザみたいにならないといいのですが、はてさて。

 美剣の言動に対し、多くを語らないことを粋、多くを語ることを野暮とする『オーブ』の論理を適用するにしても、必要なことすら現状語れてないし、1クール目から引っ張った謎は謎のまま。あんまり謎を引っ張りすぎると、お話が進んでないように見えてしまうのでストーリー重視で見せるなら、もうちょっと興味を惹きつけられる要素が必要かなと思ったりします。

 正直、物語はピンと来ないことだらけでしたが、辻本監督の特撮はやっぱりいい意味で拗らせてて素敵だなあ、と思いましたね。ネロンガが歩く振動で建物の配電盤がショートして火花が飛び散ったりとか、ネロンガとウルトラマンを横切る電車のパンダグラフから火花が飛び散ったり。二度目のネロンガの出現の際の駐車場の陥没と、自動車の落下。大胆なカメラワークと、ミニチュアワークの細かさは心躍るものがありましたね。

 そして、このところあまりなかった属性攻撃の連携を駆使して、砂嵐を巻き上げてネロンガの透明化を破るくだりもよかったと思うし、一番唸ったのはルーブコウリンショットでネロンガを打ち破ったときの、ネロンガが上下真っ二つにされるというか、あたかも上下真っ二つに切断されたかのように見える演出。ルーブコウリンショット直撃後に上半身だけが一瞬透明になることで、上半身と下半身が切り離されたように見える様には感動しましたね。ただ、十分ロッソ・ブルのままで勝てそうな雰囲気出していただけにちょっとオーバーキル気味なのは気になりましたが。


 

究極の力を今ここに!ウルトラマンR/B(ルーブ) 第15話「まとうは極」 感想

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空色カラス
■ウルトラマンR/B(ルーブ)
第15話 まとうは極み
第15話「まとうは極」[2018年10月13日放送]
脚本:中野貴雄 監督:市野龍一


 この作品の情報解禁時からずっと思っていたわけですが、メインタイトルにもなっているウルトラマンルーブって何者なんだ?と。案の定ロッソとブルの合体ウルトラマンだったわけですけれど、これはロッソ・ブルの本当の姿と見るべきなのか、兄弟の絆によって発現した新たなウルトラマンの姿なのか、ちょっとその辺が分かりかねるところではありますが、金色と黒の配色は光と闇を纏うウルトラマンという感じでなかなかかっこいいのではないかな、と。個人的に後ろ姿に惹かれるものがありました。

 にしても、満を持して登場したウルトラマンルーブ。その圧倒的な戦力は悪くなかったと思うんですが、登場までの盛り上がりが足りてないというか。微妙に差異はあれども二人の作戦が失敗して大ピンチ → アサヒちゃんの言葉がきっかけに奇跡が起こる → 逆転というホロボロスを倒したときの流れとほとんど変わらないというのはいかがなものかという感じはありましたね。

 そして、兄弟二人なら何でもできる!で、これまで使えなかった光と闇のクリスタルを精神論だけで使えるようになってしまうのも違うんじゃないかって気がするですよね。逆に何でもできるなら、ロッソ・ブルのままでも戦えるんじゃないの?という疑問も湧いてくるというか。それでいて、キワミクリスタル使用時にジャイロを引く役がカツ兄のみで、イサミはただポーズ取って立ってるだけってというのもどうにかならなかったのかなあ、と。ジャイロが二人で使うことを前提としていないので、仕方ないのかも知れませんが。

 ならば、兄弟ウルトラマンを打ち出した時点で、最初から二人で使えるようなギミックを搭載した変身アイテムにしろよと思わなくもないですが。それか、カツ兄がキワミクリスタルをジャイロにセットすると、イサミのジャイロにもセットされるとか、イサミを立たせるだけで終わりにしない工夫が必要だったように思うんですよね。折角二人で変身するウルトラマンなのに、イサミがお飾りってどう考えても違うでしょ。

 イサミをニュージェネレーションバリア担当にしてしまうのも違えば、折角合体したのに必殺武器のルーブコウリンにロッソモードと、ブルモードがあるのもなんか違う感じが。二人別々に使うなら合体する意味はないでしょ。それなら、セパレートできる武器をカツ兄にひとつ、イサミにひとつ持たせて、必殺技のときには合体させて二人で使うみたいな感じのほうがよかったんじゃないかなあ、と。八つ裂き光輪が武器化したようなアイテムが最強武器というのは見た目通りエッジが効いてて嫌いじゃないんですけどね。

 そして、ルーブの無双ぶりも悪くなかったと思うんですが、例えば『オーブ』のマガオロチや、ギャラクトロンみたいな今の戦力を全部出し切っても勝てないみたいな絶望感がグルジオキングになかったので、そこで無双しても爽快感に欠けるところがあるような気がしています。

 その上で、美剣が登場するまで湊兄弟のアンチテーゼだった愛染が、美剣の…というか、本物のジャイロの傀儡になったまま(一時的に)退場。美剣は美剣で、彼女が暗躍する目的が明かされていなければ、行動や発言に一貫性がないので何がしたいのかよく分からないまま。アイデンティティー・クライシスに陥ったアサヒちゃんは家を出ると言った具合で、最強形態の登場回に重ねてくるにはちょっとなあ…となるような展開が多く、それも爽快感を欠く要素になっているではないかな、と。

 『オーブ』にせよ、『ジード』にせよ、最強形態登場までにはヒロインが背負う数奇な運命について全て明るみになるし、そこまでの展開に一区切りつけるようなお話になっているのに対して、『R/B』は1クール目からの謎をずっと引っ張ったまま、更に別の謎を追加してという感じで現状としては何に決着がついたわけでもないのが爽快感を欠いているのかな、とも。愛染とも決着がついたわけじゃないですしね。

 唯一爽快感あったというか気持ちよかったのは、戦いのあとでカツ兄はイサミを羨ましく思っていたことを打ち明け、イサミはイサミで、カツ兄にコンプレックスを抱いていたことを打ち明けて、いい意味で本音で話せる関係になれたことかな、と。これが二人の成長に繋がるといいなと思うわけですが、どうなることか。兄弟二人力を合わせれば…というくだりは、第2話の段階でアサヒちゃんの言葉によって気付かされたはずなのに今回も喧嘩していましたし。それでも喧嘩するのが兄弟って言えば、それまでなんですけどね。

謎の女性の名は美剣サキ! ウルトラマンR/B(ルーブ) 第14話「お前は誰だ」 感想

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空色カラス
■ウルトラマンR/B(ルーブ)
第14話 お前は誰だ
第14話「お前は誰だ」[2018年10月6日放送]
脚本:森江美咲 監督:市野龍一


 今回からいよいよ後半戦。市野監督がこれからの展開のためにスイッチに押しまくっていると監督コメントで仰っていたので、楽しみにしていたのですが全体的に盛り上がりに欠けるお話だったなあ、と。というよりはノリ切れないというか。まあ、後半戦のための布石を投じるための回なので、ここから盛り上がっていくのでしょうけれども。とは言え、布石の投じかたにいろいろ疑問を感じるお話だったかなとは思いましたね。

 まずは、アサヒちゃんに対する「君は誰?」の件。個人的にこれまでのウシオさんと、アサヒちゃんの言動から振り返って考えてみると、アサヒちゃんがただ怒って出ていくというシチュエーションが起こる理由が分からないんですよね。ウシオさんは元より素っ頓狂な言動をする人だし、ウシオさんのおかしな言動について何かしらのツッコミを入れるのがこれまでのアサヒちゃんだったと思うわけで。それが何も言わずに怒って出ていくってあり得る?というお話。

 仮に、アサヒちゃんが湊家の長女・湊アサヒを演じている何者かであることを本人が自覚していて、その上で「君は誰?」ならば、怒る理由は分かるんですよ。でも、自分が湊家の家族である証拠を探しに行く辺り、その自覚はないということになるわけで。しかし、サキに「お前は誰だ?何の役を演じている?」と問いかけられたときに変な睨みを効かせている辺り、自覚がありそうな描写もあるわけで。それなのに、敢えて家族である証拠を探しに行って「アレ…?」ってなる理由が分からないんですよね。というか、アサヒちゃんをどういう役回りで描いていきたいのか、それがそもそもよく分からない。

 そして、美剣サキ。光と闇のクリスタルに本物のジャイロ。これを所有するからには恐らく本当の意味での敵ではないんでしょうけれど、光と闇のクリスタルをアサヒちゃんを通じて湊兄弟に託す一方で、愛染には本物のジャイロを貸し与える。一体その目的や如何に。何らかの目的で”本当のウルトラマン”を求めている感じは見て取れるわけですが、その何らかの目的が見えてこないので輪郭の一部でも見えてくると、もうちょっと好奇心が煽られるところではあるんだけどな、と。

 にしても、サキに託されたクリスタル。強すぎる力は不本意なかたちで誰かを傷つけてしまう可能性があることをコマ姐の一件で思い知ったはずのイサミがクリスタルの使用について慎重にならないのは明らかに積み重ねが生きてないし、オーブリングNEOを何の警戒もなく自分たちの武器として使ったカツ兄がクリスタルの力を警戒したところで、もう慎重キャラはその一件で崩れてるがゆえ説得力が足りてないから、何を言っても白けるだけというのがね。

 そもそも、バイブス波が通常の6倍も検出されるようなアイテムなら大学の機材でスペクトル分析しなくても本物かどうかなんていつもの機材で分かったよね?という。イサミが大学生であることを強調するためのシチュエーションとして入れてきたんでしょうけれど、あまりに強引だった印象。そこが強引だから、喧嘩そのものも強引な展開にしか見えないんですよね。

 喧嘩が強引な展開だった挙げ句、それを戦闘にまで喧嘩を引っ張ったのはまずかったかな、と。それに、強化されてないグルジオボーンにすら余裕で勝てたことなんかないのに、アドバルーンで遊んでる場合じゃないでしょというね。クリスタルの一件で意見が食い違ってるがゆえに心が噛み合わず連携が上手く取れないからグルジオキングに遅れを取るという展開ならまだ納得は行くけど、3分しかない時間を喧嘩で無駄遣いした上で、グルジオキングが本気を出してきて初めて焦るってダメでしょ。

 兄弟の心がひとつになっていないから必殺のトリプルオリジウム光線も破られるという展開そのものは嫌いじゃないけど、ウルトラマンオーブの力を借りて初めて使える大技をこんなかたちで無駄遣いしてほしくなかったし、火力が高くて硬いだけの怪獣ならいくらでも戦いようはあるはずなのに、ロッソ・ブルお得意の属性連携もなければ、戦いに一切の工夫もなく大技ばかりを多用して負けるって負け展開としては一番面白くなければ、緊張感もないヤツだと思うんですね。

 そして、トリプルオリジウム光線を破ったのは、かつてウルトラマンオーブに憧れ、ヒーローを夢見た愛染というのは、ヒーローとしての道を踏み間違えた男が、力に溺れてかつての憧れさえ自分で打ち砕いたって感じでとても物悲しい展開だと思うんですけど、兄弟の負けかたに問題がありすぎるので、その物悲しさが全然活きてこないんですよね。なんか全体的にもっとやりかたがあったよね?としか思えない回だったなあ、と。