Crow's Note

空色カラスが観たモノ(特撮、映画、アニメ)の感想などを不定期的に綴る隠れ家系語りBlogです。

ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED 第1話「学ぶぜ!歴史!!」 感想

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空色カラス
■ウルトラマン クロニクル ZERO & GEED
ウルトラマンクロニクル ZERO&GEED学ぶぜ!歴史!
第1話「学ぶぜ!歴史!!」[2020年1月11日放送]

 1月11日よりスタート致しました『ウルトラマン クロニクル ZERO & GEED』。 本当はクロニクル系の感想を書き出すと、間髪入れず7月からの新作ウルトラマンの感想を書き続けることになり、結構大変だったりするので今年はやめようかななんて去年の段階では思ってたわけですが。昨年は新シリーズ『ウルトラマンタイガ』の放送期間中に、『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』の配信もありましたし。実際今年入ってからもそのスケジュールで行こうかなって思ってたんですけど、予想以上に面白い番組だったのでやっぱり感想書こうかな、と。

 それにしても、昨年の『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』の快獣ブースカの運営するブースカ劇場で、ニュージェネレーションの活躍を収録した映画を観るという体で、快獣ブースカとペガッサ星人ペガがニュージェネレーションの活躍を振り返るという形式も魅力的でしたけど、今回の、朝倉リクとペガッサ星人ペガがビヨンド学園ゼロ組の生徒役になって、ウルトラマンゼロと、その好敵手であり、リクの父親でもあるウルトラマンベリアルの歴史を、先生役を務めるウルティメイトフォースゼロのメンバーの解説を持って学んでいくという形式もなかなか面白いな、と。しかし、リクも言ってましたけど、何故学校?

 今年2020年は、『ウルトラマン80』40周年記念の年でもあるので、もしそれに関連して学校ってことなら嬉しいなと思うところで。実際はどうか分かりませんけど。これで次回作のウルトラマンシリーズで、80&ユリアンにスポットライトが当たるといいななんて妄想を抱くわけですが。単純に学校って、ウルトラマンのメイン視聴層の児童には馴染みのある場所で、幼児が憧れを抱く場所ゆえんのチョイスなのかなとも。でも、ウルトラ戦士たちがベリアルに戦いを挑んで敗れるくだりで、ユリアンがやられるところでグレンファイヤーがいきなり「ユリアーーーン!!」とか絶叫しだしたりと、なんかありそうな気がしないでもなく。

 それはさておき、本編どころかオープニングから心を揺さぶられるとは夢にも思いませんでしたね。藤巻亮太さんの歌う『Heroes』も、歌詞にウルトラマンという単語が使われてないのにとてもウルトラマンを感じさせる曲だったというか、10周年を迎えたウルトラマンゼロを始め、彼と共に戦ったヒーローたちを称える曲だったのがとても沁みました。

 それだけでなく、歌詞とリンクした場面選び。”ゼロになる覚悟はあるか”という歌詞のところで、ラン兄貴、タイガ・ノゾム隊員、伊賀栗レイトさんと言った歴代のウルトラマンゼロとなって戦った者たちが覚悟を決めて頷くカットをチョイスしてきたりとか、”進め!ぼくらのヒーロー”の歌詞の部分に、ゼロとジードの疾走感のある戦闘場面をチョイスすることで、サビの盛り上がりが半端ないのがグッと来ましたね。オープニングだけでも見どころ十分でしたけど、本編もなかなかどうして見どころ盛りだくさんで嬉しく思いました。

 というか、いくらゼロとベリアルの歴史を振り返ると言っても、たった30分で映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』と、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』の二本をまとめるのってかなり無茶では…と思ったんですが、要点だけをピックアップした編集をしながらも意外と無理がなかったのが凄いなと思いました。無理どころか、無駄のない編集というか。そういう要点だけを絞ってピックアップするのは『ウルトラマン列伝』で培われた編集力があるので、やっぱりこういうことやらせると凄いですわ。

 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(以下、『ウル銀』)は、光の国の歴史から入って、暗黒のウルトラマンとなったベリアルの台頭。そして、光の国の陥落までのくだりを見せつつ、そして、ゼロの歴史へ。しかし、プラズマスパークのコアを手に入れようとして、ゼロがベリアルの同じ轍を踏むところだったというくだりを、まさかリクに見せる日が来ようとは。でも、リクがフォローしていたように、その失敗があったからこそウルトラマンレオ師匠の下で多くの技を体得することができたわけだし、ゼロとベリアルが明暗を分けた部分ではあるのでゼロを語る上では避けて通れないところではあるんですよね。

 しかし、今思うとウルトラ警備法を破った者を光の国から追放にするって、今思うと結構危ないよなあ…と。プラズマスパークの力で超人化していて、なおかつ宇宙警備隊員として研鑽を積んだ彼らを更正させることなく宇宙に放逐したら、悪堕ちルートまっしぐらじゃないですか。逆にベリアルでの失敗があるからこそ、ゼロの場合は追放という体でレオに預けることで更正させようとしたのでしょうけれども。そういう意味では、レイブラッド星人の洗礼を受ける前にウルトラマンキングなどが光の国を追放されたベリアルを預かり、更正させることができていたら彼の歩む歴史は変わっていたのかな、とか。

 それにしても、ゼロがプラズマスパークに手を出したくだりで、「ゼロもプラズマスパークに!?」と驚くリクに対して、グレンファイヤーが「そうなの、バカでしょ~?」とか言いたい放題言ってて吹いた。ただ、ゼロが光の国を追放されたくだりを含め、『ウル銀』での出来事をゼロに語らせてしまうと主観的な感じになってしまうのと、必要以上に重くなりそうなだけに、ゼロが急に来られなくなったという体でグレンファイヤーを解説役の代役に充てがったのは個人的に名采配だと思うんですよね。グレンファイヤーが『ウル銀』の出来事を何故か知っている理由や、ベリアルがリクの親父であることを知ってることについては、まあ置いといて。恐らくゼロが話したんでしょうけれど。

 実際にベリアルの悪行を客観的な映像として観させられるというのは、話で聴く以上にリクには結構重かったと思うんですよね。ベリアルの悪行を一部は、ベリアルとの最後の戦いのときに彼の心に触れたときに追体験しているから今更かもですけど。でも、グレンファイヤーの軽いノリでの解説のお陰でリクも変に重く受け止めず済んだかなって感じはするんですよね。

 そして、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河伝説』(以下、『ベリ銀』)でのゼロとベリアルの歴史を学ぶくだり。避けて通れないと言えばもうひとつ。ゼロとベリアルの歴史は、濱田龍臣さんの成長の記録でもあるというか。『ベリ銀』でのゼロの歴史を語る上では、バラージの盾を探すラン・ナオ兄弟のことは決して避けて通れないでしょう。小柳友さん演じるラン兄貴の、ゼロ憑依状態の演技がゼロの人間態として完璧なものだったというのはこの先も語っていきたいところではあるんですが、何より外せないのが濱田龍臣さん演じる弟のナオですよね。あの頃はまさか、濱田さんがウルトラマンになるとは全く夢にすら思ってもなかったところで。

 しかし、「宇宙船ジャンバードが変形してジャンボットになったのは意外だったね!」と、ジャンボットのことにはノリノリかつ満面の笑みで語ってくるのに、ナオの話題になると自分の子供の頃が語られるようなこっ恥ずかしさもあってか急に素っ気ない態度になるリクがもうね。暗にナオとリクの二人が似ていることを認めてるってことでいいのかな。

 あと、グレンファイヤーの活躍パートはノリノリで解説しつつも、ベリアルの闇に侵されたミラーナイトのくだりでは、「ミラーナイトの様子がおかしい…?」と訝しむリクに対して、「え?コイツちょっと根暗なところあるからな、こんな感じじゃねえ?あれ?なんかちょっと違う?」とかまたしても好き放題語るグレンファイヤーのフリーダムさにまたしても吹いた。しかし、なんだかんだ言いつつも他のメンバーはかっこいいところも紹介してフォローしてたのに、ミラーナイトだけそういうくだりがないの。グレンファイヤーよ、そういうところだぞ!

 かと思えば、「焼き鳥…じゃなくて、ナオたちが乗ってるジャンバードが変形してジャンボットになるぞ!」と、ちょっと嬉しそうに語りつつ、「頭も身体も硬いけどよぉ、頼りになるヤツだぜ!」とか、ちょっとジャンボット紹介のくだりは贔屓目に語るところがねえ。そういうところだぞ、円谷!(?)というか、よくも悪くもグレンファイヤーの悪ノリにクソ真面目に付き合ってくれるのジャンボットぐらいな感じするもんな。毎回ご丁寧に「焼きどりではない、ジャンボットだ!」って。

 ゼロに対しては、バカとか、(いつもいいところ持っていくから)ズルいとか言い、ミラーナイトに至っては根暗呼ばわりのまま対してフォローもなかったのに、ジャンボットだけはこの扱い。その上で、アークベリアルとの戦いに苦戦を強いられているゼロの窮地を救ったグレンファイヤーのくだりで「はい、ここテストに出るからな!」と紹介し、番組の終盤に「はい、ここで問題です!ゼロが絶体絶命のピンチの時に、それを救ったのは誰だったでしょう!?言っといたろ!ちゃんと観とけって!」って、リクとペガに問題出して、答えられなかったら「俺だよ!そこ一番に覚えとけって言ったろ!バカ~!」とやりたい放題。全く、グレンファイヤーには参るね。

 でも、あのグレンファイヤーがゼロを救うくだりって確か、ゼロたちを鏡の星に行かせるべく足止めのためにベリアル艦隊に特攻して生死不明になったグレンファイヤーが各星々の艦隊を引き連れて帰ってくる『ベリ銀』屈指の熱いくだりだったような。そう思うと、確かにグレンファイヤーが言うように覚えておかないといけないくだりではあるよなあ、と。

 で、次回の『ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED』は、先生(解説役)にミラーナイトを迎え、『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロ VS ダークロプスゼロ』をナビゲート。フリーダムなグレンファイヤーとは異なる冷静な視点からのミラーナイトの解説も楽しみで。第2話「見切るぜ!偽物!!」もみんなで観よう!


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2020年 年始のご挨拶

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空色カラス
ウルトラ怪獣名鑑 新たなる挑戦編 [5.誘拐怪人ケムール人 ](単品)
 遂にやってきた2020年。ケムール人の年ですね。遂に地球にケムール人が襲来か!?…というか、寧ろ、2020年から1960年代に出立だから、寧ろ2020年に影響はない?それにしても、ケムール人はケムール星の宇宙人説と、2020年の未来人説があるんですが。実際のところはどっちなんでしょう?もしも、後者なら僕らがケムール人になってしまうということなのか!?

 とまあ、冗談はさておき、新年あけましておめでとうございます。2020年と言えば、ブレイブポリス設立の年なので、去年もデッカード(映画『ブレードランナー』)の年でしたが、今年もデッカード(アニメ『勇者警察ジェイデッカー』)の年だったりします。まあ、挨拶はこれくらいで。なにはともあれ今年もよろしくお願いします。

 今年は早めに年始のご挨拶記事を作ろうと思っていて、元日から用意はしていたのですが、初詣が1日がかりだったのもあって疲労でうっかり寝てしまったというのと、その後のスケジュール管理にちょっとミスがあって、しばらく取りかかれなくて記事の内容の賞味期限が切れてしまったこともあり、半分以上記事にリライトをかけるという新年早々から先が思いやられる感じになってしまったためご挨拶が遅くなってしまいました。とはいえ、それなりに満足の行くお正月を過ごせたかなというところではあるのですが。

 それはさておき、今年なんですけどね。今年は『サティスファクション』を合言葉に物事を展開していけたらいいなと思っています。Satisfaction.神学的なところでは贖罪を意味するらしいのですが、そういうことではなく直訳の通り”満足”ですよね。自分が何をしたら満足をするかを見極めて、満足を追求する。ブログ記事もそうですけど、満足するまで書き綴る。ブログのレイアウトとかも納得行かなければ満足するまで弄りたおす。そんな感じの年にしたいなって思ってます。

 何事においても満足が足りてない感じを覚えていたこともありながらも、自分が何をしたら満足するのかがよく分かってなかったということもあり、なんか漠然とした渇きみたいなものをずっと感じていたわけですが、渇くと思うなら潤すしかないわけで。では、どうしたら潤せるのか。それは正直未だ答えは出てないところではあるんですが、それを見つけるためにサティスファクション…満足を追求していきたいと思ったんですよね。

 その界隈で有名なブログにもなれなければ、バズるような記事も書けるわけでもないし、人に教えられるほどのブログ運営に関するテクニックがあるわけでもない。それでいて、読んでくれる人が満足してくれるような記事も書けるわけじゃないけれど、ならばせめて自己満足くらいは叶えないとなというところで。自分一人満足させられないような奴は他人は満足させられないと思うし、自分が納得できるだけのものを出していかないと他人だって納得はしてくれないと思うんですよね。

 それに、他人にやらされているわけでもなく、義務でもなく、自分が自分の意志で楽しくてやってることだからこそ、自分が納得できることをやりたいんですよね。作品の感想なら、ここに魅力を感じた!って部分を全力で押し出していきたいし、その作品の魅力をしっかり余すところなく伝えていきたいなって思うんですよね。音楽なら、ここのメロディラインがね!とか、この歌詞がね!とか、映画ならネタバレしない程度にあの場面がああでね!あれが凄いのよ!みたいな感じでやっていきたいなって思うところで。それが僕にとっての『2020年の挑戦』といったところです。

 なにはともあれ、『Crow's Note』は今年も更新していきますので、どうぞご贔屓に。




Crow's Note管理人・空色カラス



2019年も、有難う御座いました。

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空色カラス
 いつもなら、29日くらいから1年の間に溜め込んでいたアニメとか、Amazonプライム・ビデオで映画とか見ながら支度しているのですが、今年は割と年の瀬になるまでうまく時間が取れずという感じで、なんかギリギリな投稿になってしまいますが、例によって年の瀬の挨拶です。今年5月から令和という新しい元号が始まりましたけれど、途中から始まったのもあってなんか実感がないというか、うっかり平成31年って書きそうになることもしばしば。ブログにおいては2019年で表記しているので、間違いないとは思いますが。

 1999年から2000年。2000年(20世紀)から2001年(21世紀)に移り変わったときもそんな感じではあった気はするし、令和になったからと言ってそう特別なこともしてないので、実感が無いのかなって思うところもあったり。例えば、結婚しただとか、子どもが生まれましたとか、自分の家建てましたとか、そういう人生の節目になるようなイベント事があれば多分もっと実感というものが得られたのかも知れませんが。

 なんというか、今年は自分のペースを取り戻す1年だった感じはあります。抱えていた大きな問題から解放された2018年から1年という時間が経ったわけですけれど、なんか問題を抱える以前の自分はどんな暮らしをしていたのだろう?どう生きていたのだろう?問題を抱えていたの生き方のペースで身体から抜けてないというか、未だに問題を抱えている状況にあるのではないかみたいな考えに囚われがちだった感じがするんですよね。まあ、大なり小なり年がら年中問題は抱えていますけど。

 ただ、大きな問題を抱えていた当時はそれが中心というか、問題について終始心配しながら生きてきたから、自分の人生を生きてないみたいな感覚だった気がするんですよね。大袈裟に言えばですけど。だから、いざ自分のペースで再び歩みだしても、普段どんな風に歩いていたが、どんなペースで歩いていたかが分からないみたいな感じで、そこから気持ちを切り替えていく。そして、スタンスを切り替えていく。それに1年を費やしたみたいな感じはします。完全に切り替わっているかというと正直微妙ではあるんですが。正直、そんなんだからクワトロ・バジーナ大尉(『機動戦士Zガンダム』より)「未だに嫁さんももらえん…」みたいなところはあるのかな、とか。

 とはいえ、今年もなかなかどうして波乱な1年だったというか、悲しい事故、事件、災害。それに伴う訃報とか耳にすることが多かった1年だった気がするんですが、そういったことに特に縁もなく過ごせたのはよかったかなと思うところではあります。強いて言うなら、11月頃に突然降った雹のせいで想定外の損失を受けたくらいでしょうか。想定してないときに想定外のことが起こるのが世の常ではありますけどね。


ウルトラマンタイガ 特別編「そしてタイガがここにいる」感想

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空色カラス
■ウルトラマンタイガ
特別編特別編
特別編「そしてタイガがここにいる」[2019年12月28日放送]
構成:池田遼 演出:中山剛平


 まだまだ『タイガ』は終わらない。ということで今回は特別編。相変わらずの主題歌・挿入歌を効果的に利用した神編集によって、ヒロユキとトライスクワッドの出会いと、ウルトラマントレギアとの戦い。そして、その中で地球で密かに暮らす宇宙人の存在が明るみになり、幾多の困難を乗り越えて共存への一歩を踏み出したことだけに絞ったものになっていて、実際の作品の趣きとはちょっと異なる感じに仕上がっていたのはなかなか興味深くもありました。実際はもっとヒロユキとE.G.I.S.を中心とした物語だったわけですし。

 というか、全25話で広げた多岐にわたるテーマ、全25話分の本作の魅力をたった1話で纏めきるのは無理だよなあ、と。それでも要点だけに絞って見せることで、本編の復習と、春の劇場版への予習になっているのは悪くないのではないかな、と。しかし、個人的には大空大地隊員の視点で物語を振り返っていた『ウルトラマンX』の総集編よろしく、ヒロユキ或いは、トライスクワッドの視点で『タイガ』の物語を振り返るみたいな感じのものを期待していたので、ちょっと肩透かし食らった気もしました。

 それでいて、ウルトラマン方面に絞った分、E.G.I.S.の面々の紹介、E.G.I.S.という組織の紹介もままならない感じだったのはなんとも。それもあって、番組開始前の直前スペシャルの情報に、+α した程度の情報量しかなくて新しい発見とかはあまりなかったのもちょっと残念だったかな、と。 

 ただ、ウルトラマントレギアがかつて光の国の科学者だったという事実や、トレギアがタイガを闇に引き込んだ本当の目的が明言されたのはこれが初めてこのことかな。トレギアがタロウのかつての親友というのは劇中でも語られましたが、その親友が科学者だったとまでは確か語られてなかったですよね。幼年誌や児童誌では既にトレギアが光の国の科学者だったことが掲載されていた記憶がありますが。

 何故、トレギアが光の国に反旗を翻さなければならなかったのか。その背景は未だ語られることはなく…。よくも悪くも光の国の出身者は、光を守護する者であらなければならないという固定観念に縛られることを嫌ったがゆえなのかもしれませんが。固定観念に縛られることを嫌ったとするならば、全身を拘束具で縛った姿で現れるのはなんとも皮肉めいた姿だななんて思うわけで。

 それでいて、宇宙警備隊員というわけでもないトレギアが、トライスクワッドを赤子の手をひねるが如くに翻弄し、力の面でも圧倒してきたことを思うと、あの強さは一体何を根源としているのか。とても気になるところで。でも、劇中では一切語られませんでしたからね。その後の展開による後付設定で補完されるのかな、と。個人的に映像作品で語ったことがすべてだと思うから、超全集とかで裏設定を追加するパターンってあんまり好きじゃないんですよね。それやるなら、劇中で全部語ってくださいよ、と。

 結局は、もっとテーマを絞って展開するべきだったのではというところに尽きるわけですが。番組を企画するプロデューサーなどの側の人たちと、実際に作ってたシリーズ構成などの側の人たちとのスタンスが噛み合ってなかったのかな…なんて素人考えというか、邪推してしまうのですが、実際のところはどうなんでしょうね。視聴者から見えるのは完成されてTVに映し出される番組だけですから。考えても仕方ないところで。

 あと、今回見てて改めて思ったのは、トライスクワッドという組織が既に完成されていて、ヒロユキの下で再結成するという構成は決していいものではなかった気がするんですよね。その構成もあってか、なんか過去にあったシリーズの続編というか、番外編をずっと見ているような錯覚を覚えるというか。もし、その構成にするならば、トライスクワッドが結成された背景くらいは劇中で語っておくべきですよね。

 というか、チームアップモノって、チームが結成するまでのゴタゴタというか、それまで生まれも、立場も、持ってる能力も違う者たちが揉めたり、ぶつかったりしながらチームとして一蓮托生になっていく様、その過程が面白いのに、そこを敢えて本編において省いてしまったのは本当に勿体なかったなと。その部分は『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE』の舞台見てくださいってことなんでしょうけれど。

 それでいて、一人の青年が3人のウルトラマンに変身するというコンセプト。正直なところ、物語的な機能はともかくとして、戦闘演出的な側面から見てタイプチェンジが何が違ったんだろう?というのが正直疑問で。そこをどう差別化を図っていくのかという点においては、放送開始前から心配していたところではあるんですが、正直戦闘演出的な側面から言えば、タイガ・マッスルタイプ、タイガ・スピードタイプみたいな使い分けで十分だったような気がしてならないんですよね。

 あと、物語的な側面から見ても、タイタスやフーマって、サブトラマンレベルの扱いしか受けおらず、ヒロユキのバディというにはいろいろ不十分だった印象があります。最終回においても、4人で勝利したにも関わらずヒロユキは「君(タイガ)と僕」って言ってましたしね。もっとバディと呼べるだけのやり取りというか、議論やぶつかり合い、認め合いがヒロユキとの間に必要だったんじゃないかなって改めて思いましたね。あくまで個人的には好みも踏まえての意見ではあるんですが。

 あと、地球人と宇宙人との共存と言ったかなり難しいテーマ。差別と偏見。そして、異なる人種の認め合い。これメイン視聴層である子どもたちに伝わるかたちに噛み砕きつつも、あまり包み隠さず表現してきたのは攻めてたなって思うんですよね。結構、暴力描写も直接的でしたし。重いとか、暗いとか、ちょっとネガティブな感想が持たれてしまいがちなところの切り込んでいったところはチャレンジングって思うんですけど、今回の特別編見ているとそっちはあくまで枝葉であって、幹の部分はトライスクワッドの物語のほうですよね?と。

 実際の本編では、幹よりも枝葉のほうばかり注力していた印象があって、最終的に幹が育たなかった感じがするんですよね。どっちが幹で、どっちが枝葉だったかは受け取る側の受け取りかたによって違って見えてくると思うので、必ずしもその限りではないかとは思いますが。ただ、本当に全25話で育てていかなければならない部分が育っていかず積み重ねていかなければならない部分が積み重なってなかった印象は正直受けます。タイガのコンプレックス脱却の話でもそうですし、トレギアのことでもそうですし。

 映像面でもチャレンジングな監督陣が集まってるのもあって特撮のクオリティも年々高まっているし、もう少し文芸面もまとまりのある感じになるといいなあというか、もうちょっと渋滞しない程度に語るべきテーマを取捨選択して、それを太い幹にしていくと共に、枝葉であるサブのテーマも上手く絡ませて育てていくみたいな感じになるといいなあと思いました。

  あと、今回の特別編の不満でいえば、フォトンアースについてほぼ語られず、活躍の映像が流れるだけでお終いだったのはちょっと残念でした。フォトンアースって、公式ではタイガが太古より地球に眠っていた神秘の力を手にして転身した姿とされているわけですが、神秘の力ってつまり何なんだろうっていう。その辺の解説欲しかったですよね。

 最後の総括としては不十分な感じは覚えるものの、編集で、あのカットとあのカット繋げてきて、更に主題歌・挿入歌を上手いこと使って凄えかっこよくなってる!みたいなのがあったりとか、映像面では満足の行く特別編に仕上がっていたと思います。トライストリウムの紹介のくだりなんかは、かなり熱いことになってた印象があります。あと、「タイガの物語はこれからも続いていく…」からシームレスに劇場版予告に繋げてくるのは結構ズルいなと思いました。

 しかし、劇場版こそ親子共演ですよね!?と思ってたら、最大の強敵としてタロウが立ちはだかろうとは。一体タロウの身に何が起こっているというのか。そして、集うニュージェネレーションヒーローズ。一体どんな映画になるのか。今からがとても楽しみですね。


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ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ Episode 13(終) 感想

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空色カラス
■ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ
Episode13Episode13
Episode 13(終)[2019年12月22日配信開始]
脚本:足木淳一郎 監督:坂本浩一


 暴走状態のウルトラダークキラーに対し、ウルトラマンタロウの指示のもとにニュージェネレーションヒーローズが力を結集。ストリウムブレスにニュージェネレーションの力を注ぎ込むことでスーパーウルトラマン化したギンガストリウムによるニュージェネレーションダイナマイトを発動…ニュージェネレーション全員の力をダークキラーにぶつけた!というのが前回までのお話。

 これで倒せないヤツはおるまいて…と思ったら、ダークキラーを貫通するに飽きたらず、ダーク宮殿まで爆発させて、二度と復活できないレベルに木っ端微塵にしてしまったのには流石に笑ってしまった。なんというオーバーキルっぷり。ヤプール、グア軍団、そして、ダークキラー。ウルトラの宿敵を尽く二度と復活できないレベルに追い込むときにはいつもギンガがいるというのがね。これからのウルトラの宿敵たちはギンガというか、ヒカルくんを第一に攻略すること考えないとダメかもしれないね。

 ギンガは未来のウルトラマンなだけに未だにポテンシャルが計り知れないところに来て、そのポテンシャルをフルに発揮できるヒカルくんが変身者というだけでチートみたいなものだからなあ。今回はニュージェネレーションの力も合わせたとはいえ、ベースになってるのはギンガですもんね。やっぱり凄いや、ギンガ(ヒカルくん)。

 それにしても、戦いが終わったあとの、ウルトラウーマングリージョ(アサヒちゃん)に対して、心配かけたことを叱るウルトラマンブルと、アサヒもよくやったよ。いつのまにか立派になって…と労うウルトラマンロッソのくだり。ウルトラマンの姿のままなのに、完全にカツ兄、イサミ、アサヒちゃんに見えるというか、スーツアクターさんの挙動、細かい仕草が湊兄妹のそれに見えるのホント凄いなって思いましたね。仮面劇なのに、素顔が透けて見えるようなそんな気さえしてくるというか。

 ダークキラーも倒し、これにてミッション終了…に見えたが、「安心するのはまだ早い。この件には黒幕がいる…」と、シリアスなトーンで語り始めるウルトラマンゼロ。そして、ゼロは語る。黒幕がグリージョを真っ先に狙った真相。それはやはりロッソ・ブル・グリージョ兄妹をウルトラマングルーブにさせないためであった。正直言われるまでもなく、やはりそうかと思いましたね。アイツが黒幕なら、アイツにとって苦手であろうグルーブから攻略してくるだろうし、それにグルーブには一杯食わされてるしな。

 しかし、アイツ…いや、ウルトラマントレギアに一目置かれるウルトラマンになったというのは凄いよな。この兄妹たち。一度倒しているからというのもあるとはいえ。それこそ、カツ兄もイサミも最初は本当に彼らがウルトラマンで大丈夫なのか?ってくらいにしっちゃかめっちゃかだったのに。ホント成長したんだなあとしみじみ思いましたね。

 それはさておき、グリージョが狙われた理由をゼロから聴いて、驚く兄妹たち。そして、「でも、グルーブの存在を知っているヤツって…!?」と、慌てたように語るジード。グルーブの存在を知っている敵など限られるというか、一人しかいないわけだけど、倒したと思っていたヤツがまさか生きていたとなれば慌てるよな…。そして、ジードの心配がしたことが現実となって現れた。トレギアである。

 それにしても、兄妹とジードと、光の国の出身者であるゼロはご存知とはいえ、他のメンツはトレギア知らないから何者だ!?ってなるのは分かるんだけど、「ああん…?トレギア?何者だ?」というオーブの言い方にちょっと笑ってしまった。ちょっと柄悪いよ、ガイさん。しかし、自分の世界と異なるウルトラの先輩たちについて何らかの知識を持つガイさんがご存じないとは。ガイさんが力をおかりしたタロウさんと同期の人なんで一応先輩です(何 今は光の国に反旗を翻したウルトラマンだけど。

 しかし、ジードに、闇のウルトラマン扱いされたことにご立腹だったのか「そうやって、お前たちは片方の局面からしか物事を見ない!この世界には悪も正義もないというのに…」と演説を始めるトレギア。なんというか、この人は光とか闇ではなく混沌のウルトラマンというのが正解なのかもしれない。カオスウルトラマンというのが既にいるからちょっとややこしいところではあるんだけど。でも、光でも闇でもないところに立っているニュートラルなところに立ってるウルトラマンではあるのかなって感じはするんですよね。トレギアって。 『タイガ』の最終回でのトレギアを見るに、光に揺れ動くだけの心があるように思えたから見た目ほど闇って訳じゃないというか。だから、光と闇の二元論で自分を語られることを嫌うのかなって。

 タロウとトレギアがすれ違う回想が入ったところで、トレギアは「やはり消すしかないか。タロウ…。光の国を…」と意味ありげなことを言ってニュージェネレーション達の前から姿を消してしまう。何のために現れたんだ、この人。自己紹介?「(トレギアを)すぐに追おう!」というエックスに対し、「おー!」って手を挙げるグリージョが可愛すぎた。なんだあの可愛い生き物は。

 すると、ロッソ(カツ兄)とブル(イサミ)は、「いや、アサヒはダメだ!」「地球に戻ってろ!」と、グリージョ(アサヒちゃん)に釘を刺すのであった。「なんでですか!?私がいたら足手まといですか!?」と声を荒げるグリージョ(アサヒちゃん)に対して、違う。そうじゃないと否定しつつ、「俺たちのいない地球を!綾香市を守って欲しい!」と願いを託すロッソ(カツ兄)と、「出来るだろ?だって、アサヒはウルトラウーマングリージョだからな!」というブル(イサミ)の激励に泣いた。実質的な『R/B』の完結編じゃない?これ。寧ろ、劇場版が完結編だから、完結編+とでも言うべきか。

 それぞれの道を歩んだ兄たちに代わって、グリージョが綾香市の守り手になる。Episode1でも、そのために一人で鍛錬に励んでいましたしね。その使命を誰に託されたわけでもないのに。だが、改めてここで兄たち二人に地球を、綾香市を託されたことで本格的にグリージョが今度は綾香市を守っていくんだね。一人じゃ大変だと思うけれど。いや、綾香市はミオさんいるし、アシストも万全か。でも、あんまり無理をしてお父さん(ウシオさん)を心配させちゃダメだぜ。

 そして、「俺がお前たちの時空まで送ってってやるよ!」と申し出る一方で、これからトレギアを追うニュージェネレーションたちには「気をつけろよ!」と励ますゼロ。そうか、これで『タイガ』第1話冒頭の戦いにゼロ(とグリージョ)がいなかったのか。本作が『タイガ』に繋がるなら、二人がいないとと思ってたけど。そして、ゼロとグリージョは『R/B』の地球へ。

 「お兄ちゃんたち、大丈夫でしょうか?」とゼロに尋ねるグリージョ。するとゼロは、グリージョの肩を優しく叩きつつ「心配すんな!あいつらは強い!」とイケメンムーブで応えるゼロがもうね。何このイケメン。こういうことさらっと言えるからゼロは女の子に人気あるんだよな。そこに付け加えて「それに…」となにかを喋ろうとするゼロに対し、すぐさま「仲間を信じるのもウルトラマンの大事な資質、ですよね?」と返すグリージョ。「そういうことだ」と微笑み混じりに返すゼロ。なんかここのゼロとグリージョのやり取り。同じ部活のイケメンな先輩と、可愛い系の美少女な後輩のやり取りって感じがする僕だけ?なんかちょっといい雰囲気だけにファルコン1案件(?)ですよ、ウシオさん!

 それにしても、「私、強くなります!この美しい地球を、みんなを守るために!」というグリージョの宣言がとてもよかった。湊アサヒ/ウルトラウーマングリージョの今後の活躍には、ゼロでなくとも期待したいですね。アサヒちゃんを主役にしたグリージョのスピンオフ待ってます(違

 場面は変わってニュージェネレーション。これからトレギアを追いますって感じなんだけど、「よっしゃ!それじゃあ行きますか!」という威勢のいいブルの言葉を皮切りにそれぞれがこれからの戦いについて一言言ってくくだり。「光の国を!ウルトラマンの故郷を守らないと!」というジードの言葉があまりにエモすぎるというか、尊すぎて鼻血出るかと。ニュージェネレーションの中でジードだけはM78星雲系の血を引くウルトラマンだから、光の国は間違いなく彼のルーツだし、そして何よりも彼から”故郷”という言葉が出てきたがのね。そうなんだよな、(お父さんの)故郷だもんな…

 そして、「俺たちの手で平和を守り抜こうぜ!」というギンガの叫びと共に、ニュージェネレーションが円陣を組み、拳を突き合わせると、どこにいるとも知れぬトレギアに向かって銀河の彼方に飛び去っていって終了。…という俺達の戦いはこれからだ!的なエンドだったわけですが、『タイガ』第1話に繋がるお話ということが公言されている以上、仕方なしかな。でも、1エピソード毎に盛り上がる要素目白押しで、本当に毎週楽しく観ることができました。というか、ウルトラ作品でこんなにもヒートアップしているのは本当に久しぶりでした。

 それに、推しのウルトラマンジードがあまりに扱いがよくて嬉しい限りだったのと、全映像作品の中で多分最もかっこよかったであろうウルトラマンルーブの活躍。ウルトラマンリブットが想像以上のかっこよさ。そして、何よりもウルトラマンギンガ(礼堂ヒカル)が、ニュージェネレーションのリーダー格に相応しい存在になっていたことが本当に嬉しかった。無印『ギンガ』から6年になるわけですけれども、ニュージェネレーション6年の歩みの集大成がまさにここにあったという具合の作品に仕上がっていたのが何より嬉しかったですね。

 『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』に携わったスタッフ、キャストの皆さん。本当にお疲れさまでした。そして、有難う御座いました。








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