Crow's Note

観たモノ(特撮、映画、アニメ)の感想などを勝手気ままかつ、不定期的に綴る隠れ家系語りBlogです。

ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル 第19話「無情! 暴走する正義!!」感想

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空色カラス
■ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル
第19話「無情! 暴走する正義!!」第19話「無情! 暴走する正義!!」
第19話「無情! 暴走する正義!!」[2019年5月11日放送]

ウルトラマンオーブ 第14話「暴走する正義」  [2016年10月8日初回放送]より
脚本:林壮太郎 監督:アベユーイチ

 今回、ブースカ劇場にて『ウルトラマンR/B』を観ていたブースカとペガの前に意外な珍客が乱入!やってきたのは、アイゼンテック社社長の愛染マコト氏。彼がやってくるのは予告の時点で分かってはいたけれど、まさか二人が観ていた映画(『R/B』の映像)から次元の壁を超えてやってくるとは思いよらず。次元を裂いて飛んでくる凄いアイツ!

 『R/B』の総集編にて最終回以降の湊兄妹がゲストに来てたことを踏まえて考えると、時系列的にチェレーザがなんらかの方法で復活を果たし、本物の愛染マコト氏と再融合を果たさない限りここには来れないものと思っていた。しかし、次元はおろか、時系列さえ無視してブースカ劇場にまで『ウルトラマンオーブ』を観に来るとか。相変わらず破天荒なことをやってくれる。でも、次元を飛び越えるために用意していた、例のアイゼンテック社の地下に埋設したハドロン衝突型加速器を使えば今回のことも不可能ではないというのが恐ろしいところで。

 しかし、今回登場した愛染社長の弁によれば、”映画から出たマコト”であってそれ以上でも、それ以下でもない存在らしいので、そもそも『R/B』次元の愛染マコト氏(チェレーザ)でない可能性もあるわけで。じゃあ、この愛染マコト氏は一体何者なのか。まあ、深く考えてはいけないのだろう。にしても、深水元基さんが再び愛染マコトを演じるとは思ってなかったのはこういうかたちで出演してくださったのは嬉しい限り。深水さん、お疲れさんです。

 そんな訳で、『オーブ』が観たいという愛染氏のリクエストに答えて、結局3人で『オーブ』を観ることに。しかし、よりにもよってオーブが過ちを犯してしまったギャラクトロン2部作を、オーブを理想の超人と信じて疑わない愛染氏(チェレーザ)と観るって、愛染氏発狂しちゃうんじゃないの!?

 とは言え、今回のお話って、理想の正義のロボットとして憧れと羨望の眼差しを向けたギャラクトロンが実は独善的な正義を掲げて破壊の限りを尽くす暴走ロボットでしかなかったことをきっかけに、シンさんが平和を求めるための科学や正義も行きすぎれば制御が効かなくなり、破壊と暴力に呑まれてしまうこともあることを知るお話でもあるんですよね。そして、その行きすぎてしまった何かに対して、人はどうすればいいのかを学ぶお話でもあるというか。

 それにしても、今回のお話改めて観て思うのは、行きすぎた科学への警鐘、行きすぎた正義への警鐘を鳴らすお話としては、ギャラクトロンはシンさんが生み出したロボットであったほうがよかった気がするんですよね。ただ、謎のロボットの出現に浮かれるあまり、それが危険なものであるという可能性を考慮しなかったのは科学の信奉者としてはあまりに大きな過ちであるというのは間違いないんですよね。しかし、その過ちの代償の大きさに打ちのめされて、シンさんが答えを急ぎすぎているきらいはありますが。

 それはさておき、ギャラクトロン2部作って、シンさんメインのエピソードなのに、他のSSPメンバーや渋川さんのメイン回と思うと、ガイさんとの絡みが少ないんですよね。いつもの助言役は完全に小舟社長に取られているし、ガイさんにとっても試練の回なのでシンさんを見守れる立場にないというか。それもあってか、ナオミやジェッタくんと思うと、シンさんとガイさんの関係ってなんか浅く感じてしまうところあるんですよね。親密さで言うと、ナオミ>ジェッタ>シンというか。

 それもあってか、ギャラクトロンの解析の最中、「なんとか(ギャラクトロンと)コミュニケーションを取る方法を見つけ出さないといけませんね~!」と言いながら笑顔でガイさんのジャケットの袖を自分の肩に回してガイさんと肩を寄せるシンさんの行動に、自分もガイさんと親密になりたいと思っているという感じがひしひしと伝わってくるんですよね。あんまりガイさんと直接的なコミュニケーション取る機会が少ないからここぞというときにというか。それを思うと、もうちょっとガイさんとシンさんが親密になる友情回みたいなのがあると良かったんだけどなあ。まあ、仕方ないか。

 にしても、マガオロチに続いてオーブの攻撃が全く効かないギャラクトロン。それどころか、ギャラクトロンシャフトで拘束された状態で、腹をギャラクトロンブレードで串刺しにされるオーブの姿が暗転して今回のお話は終わりって、リアルタイム放送当時でも相当びっくりしたけれど、やっぱりびっくりするというか、描写がえげつないなと感じるところで。

 衝撃のラストを目の当たりにして「待て待て!ここで止めちゃダメだ!これじゃあオーブが負け犬みたいじゃないか!早く続きを上映するんだ!」と愛染氏が狼狽えていたけれども、少なくともそれは憧れのヒーローがやられてしまったときの反応じゃないですよ。狼狽えるところは分かるんだが。「急がば回れ!いや、善は急げ!愛染は急げ!」のくだりは面白かったけれど、やっぱり愛染氏(チェレーザ)のヒーロー観は歪んでいるなあ。次回のお話を見て、少しは変わるといいんだけれど。あまり期待はできないか。

 そういえば、余談なんですけど…ギャラクトロンの出自がサイバー惑星クシアであることが『劇場版 ウルトラマンジード』で明らかになりましたけれども、それを思うとジェッタくんが最初に名づけた”ギャラクシードラゴン”の名称もあながち間違いではなかったのかなって。逆に全ての戦闘を停止させるために破壊を行う殺戮ロボットに、イタリア語で救世主を意味するサルヴァトーレから着想を得た”サルヴァトロン”という名称はあまりにも皮肉すぎるところで。

ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル 第18話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!③」感想

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空色カラス
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第18話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!③」第18話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!③」
第16話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!③」[2019年5月4日放送]

劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン [2016年3月12日公開]より
脚本:中野貴雄、小林雄次、小林弘利 監督:田口清隆

 3週に渡って放送してきた『劇場版 ウルトラマンX』もいよいよクライマックス。Xio絶体絶命のピンチに、ウルトラマンティガ、ウルトラマンエックス、そして初代ウルトラマンが集結。3対3の大バトルを繰り広げ、ここからが本番!というところで前回は終わってしまったので、今回は最後まで観られてよかったと思います。にしても、放送してくださるだけでも感謝の極みではあるですが、やはり映画はぶつ切りにするものではないなと、改めて思うところで。

 それはさておき、光を継ぐもの戦いのメドレーに乗せて、ティガがゴーグアントラーと、ウルトラマンがゴーグファイヤーゴルザと戦う場面は劇場で見たときはあまりの衝撃にテンション爆上がりでしたけれども、やっぱり今回の放映で観てもテンション上がるなあ!と。しかし、ティガとして戦うユウトの姿を見て、「ユウト、ちょっと見ない間に大きくなって…」という玉城教授のセリフ。言いたいことは分かるのだけれど、そんな場面でボケなくても…とちょっと思ってしまうところで。

 それにしても、ティガ・パワータイプもそうだけれど、初代ウルトラマンも如何にもという感じのアクションというか、自分の知っているティガと初代ウルトラマンの戦いかただ! と思わせてくれるアクションの完コピぶりには脱帽です。カルロス黒崎じゃないけど、「これこそ、奇跡だ!」と言わんばかりに今僕は凄いものを観ているぞ…というのを劇場で観てるときに強く感じたのを今でも覚えています。

 更に、凄いなと感じるのはゴーグファイヤーゴルザの突撃に窮地に立たされた初代ウルトラマンを救ったXioの攻撃。”ゼットン”レールキャノンに、ゴモラ振動波。前回のティガ・スカイタイプの戦いを援護したXioの攻撃である”ベムスター”ルイルイシールドに、”バードン”フェニックスアタックもそうでしたけど、どれも初代ウルトラマンや、ウルトラヒーローを苦しめた怪獣の力を転用した攻撃なんですよね。ウルトラマンらを苦しめた怪獣の力も、人間の技術を介することでウルトラマンを救う武器になるってこんなシチュエーションよく考えたなって思いますよ。これが絆でひとつになる世界かという感じがしますね。技術に関しては人間の…というよりはグルマン博士のですけど。

 Xioの援護を得て体勢を立て直した初代ウルトラマン。ゴーグファイヤーゴルザの熱線を八つ裂き光輪を盾にして防ぎつつ、熱線が消えたところで八つ裂き光輪をほぼノーモーションで発射。これが弾かれたら間髪入れずスペシウム光線で畳み掛けるというテクニカルな戦いぶり。初代ウルトラマンもこれまでの戦いを経て戦いかたに磨きがかかってると思わせてくれるというか、怪獣退治の専門家って感じしますね。

 そして、かつてのアントラーはスペシウム光線すらはねのける恐ろしい甲殻の持ち主でしたけれど、そういうイメージもあってかティガ・パワータイプがアッパーでゴーグアントラーの角?顎?をへし折ったのは凄ぇ…って唸りましたね。そして、そこからマルチタイプへタイプチェンジしつつ、間髪入れずゼペリオン光線。ゼペリオン光線のエフェクトの美しさもさることながら、タイプチェンジ時の効果音とか完全にオリジナルのそれですからね。ここまで気合の入ったリスペクトぶりもなかなかないのでは。

 しかし、エクシードエックスでボロ負けしたウルトラマンエックスが、パワーアップなしのエックスのままでザイゴーグに善戦してるのはどういうわけなんだ?という感じはしますけど、『帰ってきたウルトラマン』で、初代ウルトラマンとセブンとの友情を心の支えにしたウルトラマンがナックル星人とブラックキングを破ったアレと同じ理屈なのかな、と。

それでいて、今回の戦いかたを見るに、絶妙な間合いの取りかたで戦ってるんですよね。棍棒のような右腕の連打を受けないというか、殴られた衝撃を逆に利用するようなかたちでカウンターを行ったりとか、エックスもエックスでなかなか魅せる戦いかたをしてくれるなあと思うところで。

 しかし、ザナディウム光線が決まったと思わせて、三人のウルトラマンが揃ったところを狙うかのように触手で反撃をしてくるザイゴーグ。触手といい、触手が生えてる胸の部分、超キメエ…というのはさておき、吸収したウルトラマンたちのエネルギーを利用してツルギデマーガを世界中に召喚するくだりの希望から一気に絶望に変わる感じはゾクゾクしますよね。

ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル 第17話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!②」感想

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空色カラス
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第17話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!②」第17話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!②」
第16話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!②」[2019年4月27日放送]

劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン [2016年3月12日公開]より
脚本:中野貴雄、小林雄次、小林弘利 監督:田口清隆

 前回から引き続き、『劇場版 ウルトラマンX』を特別放送。”平成”の世が終わりを迎え”令和”という新しい時代の幕開けが迫る中で、初代ウルトラマン、ウルトラマンティガ、ウルトラマンエックスと、各世代の代表たるウルトラマンが集うこのパートをこのタイミングで放送してくれたのは嬉しい限りで。しかし、今回は3大ウルトラマン登場のくだりで終わりで次回クライマックスかな?と思ってたんで、そこで終わるの!?みたいなタイミングで終わってしまったのはブースカやペガ同様に「ここで終わりなの!?」って気分にさせられましたね。前回より超絶気になるタイミングじゃないですか!3大ウルトラマンとXioの熱い連携の場面が観られたのは嬉しい限りですが。

 にしても、前回の序盤部分は淡々とイベントをこなしているだけ感が否めなくて、それゆえにノリ切れない思いもありましたが、碧石を追って都心に出現したザイゴーグを迎え撃つべく、Xioが邀撃作戦黄泉3号を開始するくだりから超熱い展開続きで何度観てもワクワクさせられるところでありますね。それまでの不完全燃焼展開を踏まえても、十分すぎるお釣りが来るほどに完全燃焼できるくらいには熱くなれる気がします。

 まず、サイバーカードの力を総動員してザイゴーグの迎撃に挑むくだりは、怪獣の力を借りて戦う『X』ならではというか、Xioならではの特色を活かした戦術なだけにそれだけでも燃えてくるわけですが。それ以上に、TVシリーズではXioの手ではあまり活用されなかったサイバーカードがここに来てフル活用ですからね。ザイゴーグに傷一つつけられないなりにも使いかたと見せかたが巧いので、とても印象に残るんですよね。

 Xioが総力を挙げてザイゴーグを迎え撃っているにもかかわらず、全く歯が立たないどころか、ザイゴーグのトゲによって奴の眷属たる閻魔分身獣であるゴーグファイヤーゴルザと、ゴーグアントラーまで出現。それと共に日が沈んでいくのが余計に危機感みたいなものを煽られてゾクゾクするところではあるんですよね。地獄のように真っ赤に染まった夕陽を背に三大閻魔獣が集うところなんか絶望感しかないというか、これどうしたら勝てるの…?って感じですよね。エックスにはユナイト不可だし、ユナイトできたとしてもエックスだけでは勝てないし。

 そんな中で、お母さんを助けに行きたいという必死になってるユウトくんの心に反応するかのように光り輝く石化したスパークレンス。ただの”古代のトンカチ”じゃなかったぜ!というのはさておき、そうやってお母さんの危機にユウトくんが駆けつければこそ奇跡が起きたとはいえ、戦闘区域に子供を連れて行くのはもし万が一のことがあったらちょっとな…と思う部分もないわけではなく。案の定、ユウトくんは現場に到着後すぐに一人でカルロスタワーに行ってしまうし。その後、今のユウトくんの気持ちが一番よく分かっているであろう大地隊員がフォローしてくれてるわけですけれども。

 にしても、カルロス黒崎。自分の会社が今にも怪獣の攻撃を受けようってときでも、スタッフからカメラを奪って番組を続行しようとする様とか、自分の会社が瓦礫と化してるにもかかわらず、碧石にしか目もくれないところとかよくも悪くもブレない様とか、一度は瓦礫に挟まって動けない玉城教授を置いて去ろうとしながらも良心の呵責に苛まれてか、教授に歩み寄って助けようとする様とかとても好きなんですよね。怪獣を都心に連れてくるとか超がつくほどはた迷惑な男なんだけど、悪人じゃないというか。それなりには良心もあるというかね。まあ、腰を痛めて動けなくなっちゃうところはちょっとダサいんですけど。そのダサさで彼はバランス取れてるところはあるのかな、と。

 しかし、スパークレンスが力を貸してくれたとはいえ、絶対にお母さんを守るというユウトくんの強い心が本当にお母さんを助けるに至るくだりはホントかっこいいなって思うんですよね。その上で、ウルトラマンティガへ変身してしまうわけですから子供時代に観てたら心底憧れるシチュエーションだったんじゃないかなあ、と。世界で誰よりも大切な人を守るためにウルトラマンに変身ですよ?大人でも憧れるものがありますよね。

 それにしても、ユウトくんがウルトラマンティガに変身することに対して結構賛否両論あったのを覚えています。ダイゴ隊員以外が変身するティガを受け入れられないという人の気持ちも分からなくはないけれど、ユウトくんの変身は「人間は皆、自分自身の力で光になれるんだ」というダイゴ隊員が『ティガ』本編でたどり着いた答えに対するリスペクトだと思うんですよね。ユウトくんが超古代の遺伝子を持っていたかどうかはそこまで問題じゃないというか。

 それでいてお母さんを絶対に守るという自分のやりたいことを諦めずやろうとする姿勢と心がスパークレンスに呼応して、ユウトくんを光の巨人にしたのあれば、「俺は人間だから、俺のやれることをやりたいだけだよ」と語っていたダイゴ隊員へのリスペクトにもなり得るんじゃないかなとも思うんですよね。

 そして、ティガの変身と共にエックスが復活し、ウルトラマンが光の巨人と呼ばれる所以を語りながらエックスとティガが並び立つくだりだけでも大興奮なのに、そこから更に初代ウルトラマンが登場する様は鳥肌モノでしたね。「きたぞ!われらの…」「ウルトラマン…!」というグルマン博士と大地隊員のセリフと共に赤い球体からウルトラマンが出現するあの演出はとても神秘的で美しかったと思います。正直、今回はここで終わってもよかった。

 「総員に告ぐ!三体のウルトラマンと連携し、怪獣たちを撃滅せよ!」という反撃の狼煙を挙げるがごとくの神木隊長の力強い号令からのウルトラマンとXioが連携して、ザイゴーグとその眷属らに立ち向かう様は本当に大好きなんだけど来週まで取っておいてほしかった気もしなくもないです。あんないいところで終わるなら尚のこと…

 とは言え、ランドマスケッティとアスナ隊員による地上からの迎撃と、空に飛んで逃げるゴーグアントラーを追うティガ・スカイタイプとXioの航空戦力。そして、ザイゴーグと戦う初代ウルトラマンとエックス。これらの状況を一つの画面、ワンカットで見せる様はやっぱり圧巻ですよね。それにしても、ゴーグアントラーが空を飛ぶとは思わなかったから飛び去ったときには驚いたものです。アントラーは戦いかたがアリジゴクだけど、姿は甲虫だから飛べても不思議ではないのですけれど、あいつはアリジゴクなんだという先入観があるから衝撃を受けたのを今でも忘れないですね。お前飛べるのかよ!って。

 それに対して迎え撃つティガのスカイタイプ。こんなところで観られるとは思ってなかったので本当に嬉しかったですね。それでいてタイプチェンジの使いかたがとても丁寧だし、演出もかっこいいので、そこも嬉しい限りでした。坂本浩一監督よろしく物量で攻めてくるタイプチェンジラッシュも大好物なんですけど、今回みたいなまさにティガ!って感じのタイプチェンジの使いかたもいいんですよね。あと、夜の都心が舞台というのもあって『ティガ』リスペクトに満ち溢れてる感じがたまらないというか。

 あと、地上からバズーカでゴーグアントラーを迎撃するアスナ隊員や、命をかけた一か八かの一撃をゴーグアントラーに浴びせたハヤト隊員に対する頷きというか、リアクションもなんか確かにティガって感じがするんですよね。ダイゴ隊員のティガじゃないけど、正真正銘本物のティガというか。ちょっと上手く言えないんですけど。

 ティガは勿論ながら、初代ウルトラマンもそうなんですけど、オリジナルキャストの出演だとか、オリジナルキャストによる変身とかしているわけではないにもかかわらず圧倒的本物感に満ちたウルトラマンに見えるのはやはり演出の勝利なのかな、と。ただ、ウルトラマンってあんなにマッチョだったかな…?とも。胸板は厚かった気はしないでもないですが。


ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル 第16話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!①」感想

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空色カラス
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第16話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!①」第16話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!①」
第16話「ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン!!①」[2019年4月20日放送]

劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン [2016年3月12日公開]より
脚本:中野貴雄、小林雄次、小林弘利 監督:田口清隆

 「今日のブースカ劇場は特別企画!そう、『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』だよ!」ということで、今回から3週に渡って、『X』の劇場版を放送。BS、CSや、ローカル局を除いた地上波による全国ネットによる放送はこれが初めてということになるのかな。ここ近年のウルトラマン映画としては、抜群に面白いだと未だに思っていところがあります。いい意味で男の子の”好き”が詰まった映画だと思うんですよね。制作にあたって女性客へのアピールを要望されながらも、メインターゲットである男の子がまずウルトラマンから離れているということを考慮して制作されたというのも納得というか。

 TVシリーズ終盤が結構シリアスでお硬い感じだったので、娯楽性重視というか、いい感じにからっとしたエンターテイメント作品に仕上がっているのも好きなんですよね。湿っぽさがないというか。その反面、全体的にノリが軽いというか、TVシリーズの重厚なテーマ性は今回鳴りを潜めているため、若干食べたりなさみたいなものを感じる部分もなくはないのですが。

 あと、ここ最近のウルトラマン映画と比較すると、序盤の盛り上がりに欠けるというか、掴みの弱さはやっぱり気になるなあ、と思うところで。芭羅慈遺跡からティガの像が見つかるくだりは驚きを感じる部分はあるのですが。あと、『ティガ』でレナ隊員役を演じた吉本多香美さん演じる玉城ツカサ教授の口から”ティガ”という単語が出てくるのも嬉しかったりしましたし、序盤からいきなりエックスが大ピンチに陥るのも悪くはないのですが。

 聖域で暴挙を働く者の手によって大きな災厄が目覚めるというのはパニック映画では割とありがちととは言え、あまりにもお約束どおりすぎる展開にちょっと冷めた面持ちで観てしまう部分があったり。それでいて、この世を地獄へと変えてしまうほどの怪獣の封印にしては要石ひとつ動かしただけで解かれてしまうのは、さすがにいくら超古代に施されたものとはいえ甘すぎるのではと思ってしまうんですよね。なにかの弾みで要石を封印していた祠が壊れてしまっていたとか、それ相応の理由があればいいんですが、台の上にむき出しに置いてある状態ですからね。

 或いは、初代『ウルトラマン』に登場したアボラスみたいに、超古代の遺産の中に怪獣が封印されているとも知らずに中を開封しようとした結果、復活。それを警告しようとした文章は遺産に付随されていたものの解読が完了した際には時既に遅しだったみたいな感じだったらまだしも、封印は要石を動かしただけで簡単に解けてしまうものであり、超古代の碑文を読める人物がいながら止めることができなかったというのはちょっとね。遺跡そのものがカルロス黒崎の会社に買収されている以上、どうすることもできない部分はあったんですけどね。

 あと、復活したザイゴーグがエックスに反撃するチャンスを与える間もなく叩きのめし、渾身のエクシードエクスラッシュも真正面からカウンターで叩き潰すことでその実力を示すところは良かったと思います。しかし、あまりにエックスとの戦闘シーンがイベント戦闘的というか。TVゲームで言えば、どんな手段を用いても強制的に敗北扱いになる戦闘みたいでノリきれないというか。あまりにイベントこなしてるだけの展開すぎてちょっと退屈かな、と。

 とは言え、見どころがないわけでもなく。ザイゴーグから逃げる途中、玉城教授が何かに躓いて倒れてしまったがために、息子のユウトくんが助けにかけ寄る場面。でも、迫る怪獣に慄いて腰が抜けてその場から動けなくなってしまうと同時にあまりの状況に過呼吸気味になってるとか、ユウト役の高木星来くんの演技いいなあって何度観ても思うんですよね。変な話、撮影の現場にザイゴーグはいないわけでしょ。演技として見えないものに対して怯えなければいけないにもかかわらず、巨大怪獣が眼前にいて、それと対峙したときの少年の動きを見事に演じてみせてるのは凄いな、と。

 それに加えて、あの場面って何気に合成も凄いなって思うんですよね。合成って感じがしないというか、とても自然にザイゴーグが眼の前にいる感があるというか。怪獣の重みを実際に感じるというか。

 あと、個人的に好きな場面は、冒頭での作戦デスクを囲んで、橘副隊長を除く全員で出張帰りの大地隊員を労う場面。Xioに訪れた束の間の平和って感じがとてもいいんですよね。それでいて、神木隊長が娘さんの焼いたクッキーを差し入れとして持ってきたことで、ギクシャクしていた神木隊長と娘さんの関係が改善しているのが見て取れるのが好きなんですよね。それでいて、Xio隊員らが談笑している最中に橘副隊長が空気が一変するところも好きですね。「作戦デスクの上でものを食べちゃいけないって何度言えば分かるの!?」って、隊員たちの叱りかたが副隊長のそれというよりも、お母さんが子供に叱るそれって感じがするところもなんかいいなって。

 叱られて即撤収する隊員らも面白いけれど、神木隊長が超気まずい顔をしながら橘副隊長から顔を逸してく一方で、橘副隊長が睨みをきかせながら迫るところとか、あのくだりは劇場で思わず笑ってしまったなあ、と。

 それと、神木隊長絡みで面白いのは、ザイゴーグの復活に際して玉城教授が「このままでは大変なことになります!」と警告を伝えに来たところ。隊長と副隊長の名前をごっちゃにして覚えていたのか、急を要していたがために間違えたのか、教授に「橘隊長!」と呼ばれると神木隊長がきょとんとした顔のまま一瞬止まったあと、「橘はこっちで、私は神木です」と訂正するくだりが見るたびいつも笑ってしまうんですよね。あんまり名前を間違えられるネタみたいなのは好きではないんですけど、玉城教授の天然っぷりを演出するのに一役買ってる場面でもあるので嫌いになれないというか。

 それにしても、玉城教授役の吉本多香美さん。レナ隊員の頃からして知的美人な印象でしたけれども、いい意味でちょっと草臥れた風貌と、日焼けした肌が生活感を感じさせるというか、考古学の研究のために泥臭いフィールドワークをこなす学者さんにして、子を持つ親という感じが出てるというか、玉城教授という役どころに今の吉本さんがとてもマッチしているのが素敵なんですよね。ティガが登場するがゆえのキャスティングだったんでしょうけれど、これ以上の適任者はいないと思えるくらいに絶妙なキャスティングだったと思うんですよね。

 あと、こぼれ話としては、マイケル富岡さん演じるカルロス黒崎。準備稿段階では、彼がイーヴィルティガに変身して奮闘するという展開が予定されていたそうだが、『ティガ』第44話「影を継ぐもの」とストーリーが似通っているしまうことから没になってしまったんだとか。この件について富岡さん自身は、「偽物でもいいから、自分も(ウルトラマンに)変身したかった」と悔しがったとか。個人的にも富岡さんのイーヴィルティガ観てみたかったですね。

 しかし、カルロス黒崎のあのチャラいキャラクターのままイーヴィルティガになっていたら、『R/B』のウルトラマンオーブダークの先駆けみたくなっていたのかなあ。よくも悪くも精神が子供のまま大人にしまった感じのノリといい、チャラい社長がウルトラマンに…というところも含めて愛染マコトのプロトタイプっぽいところありますもんね。根性ひん曲がってる愛染と違って、黒崎社長は根っこの部分はそこまで悪人ではないですけど。変に前向きで面倒くさいところは割と似てるかな…?そう思うと、カルロス黒崎もやっぱり中野先生のキャラクターだよなあって感じがします。

 

ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル 第15話「息吹け! 虹の大地!!」 感想

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空色カラス
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第15話「息吹け! 虹の大地!!」第15話「息吹け! 虹の大地!!」
第15話「息吹け! 虹の大地!!」[2019年4月13日放送]

ウルトラマンX 第22話(終)「虹の大地」 脚本:小林雄次 監督:田口監督[2015年12月22日初回放送]より

 前回の「美しき終焉」に引き続き、今回は『ウルトラマンX』のクライマックスである第22話「虹の大地」をセレクト放送。”絆でひとつになる世界”を体現したかのような、怪獣たちの力をお借りしたハイブリッドアーマーを用いて、かつてない驚異であるグリーザを倒し、来るはずの滅びの未来を変えたラストはとても気持ちのいいラストだったと思います。しかし、何度観ても、やっぱり「美しき終焉」で上げすぎたハードルを超えられてないと言うか、今ひとつ不完全燃焼感のある最終回だったなあ、と。

 まず第一に、エクスラッガーが如何なるものであるかというのを正しく認識しないと、何故”無”であったはずのグリーザが”有”となり、大地とエックスに倒されたかのかがよく分からないにもかかわらず、エクスラッガーが如何なるものであるかの説明が足りてないことですよね。一応、今回のエピソードに大きなヒントはあるんですけどね。

 これまでの『X』においてエクスラッガーは、ダークサンダーエナジーによって凶暴化した怪獣を浄化する邪気を祓う非殺傷の武器として描かれていたわけですが、邪気を払えるのはあくまで怪獣との共存を願う大地隊員の想いがかたちになった結果であり、本来のエクスラッガーの性質は”想いをかたちにする”というものなんですよね。よくよく考えれば、エクスラッガーが非殺傷の武器でないことは、グア・スペクターや、バグバズンブルード戦でこれらを倒すのに使われているので分かる話ではあったのですが。

 しかし、エクスラッガーが想いをかたちにする力を秘めた武器というのは、劇中での描写では分からないというか、劇中の描写だけで理解できた人いるのかな?と。それでも、アスナ隊員の強い想いに反応したエクスラッガーの力によって大地隊員を電脳空間から連れ戻しているので分からなくもないところではあるのかな、と。エクスラッガーの刀身が光を放つと共に大地が帰ってきているので、ただアスナ隊員の思いの強さだけが大地を救ったわけではないんですよね。アスナ隊員の想いの強さにエクスラッガーが応えたというか。

 それでいて、グリーザが”無”から”有”になった理由ですよね。想いというかたちのないものをかたちにする。かたちなきものを具現カができるエクスラッガーの力を、グリーザアブソープションでエクシードXを呑み込んだときにその性質を吸収してしまった結果であり、復活した第2形態が”無”を由来とする能力を一切使わなくなっていたのはこのため。それゆえに、”無”であれば本来当たらないはずのハヤト隊員と共に戦うサイバーゴモラの攻撃がことごとくヒットしたというわけ。こればっかりはちょっと分かりにくいというか、劇中で分かりやすく描写してほしかったところではあるかなあ、と。

 あと、大地隊員の両親が宇宙電波研究所を立てた地(時空の特異点)で発見したとする太古の遺物。これがエクスラッガーであるという認識がないと、大地の両親はいつエクスラッガーを手に入れたのが分からないから両親らが時空の彼方へ消える場面に疑問が残ってしまうんですよね。 いつどうようにして両親はエクスラッガーを手に入れたのかという点について。両親が遺してくれた武器が未来を繋ぐ希望になる展開は非常に熱いものであるだけに、そこが不明瞭だと燃えきれないというか。

 結局のところ、エクスラッガー周りの設定が明瞭に描写されていたら今回のお話の完成度は100%近いものだったと思うんですよね。そこが足りてないので、かなり完成度が落ちるというか。

 それでも、Xのカラータイマーの中に大地隊員がまだ生きていると知り、大きな危険が伴うのを承知で大地隊員を助けに行くことを志願したアスナ隊員と、ルイルイのやり取り。「ダイくんのこと、頼んだよ」というルイルイに対して、「ガッテンテン」と笑顔で答えるアスナ隊員のくだり。あと、はじめに大地隊員を救うことを志願したのは、かつてウルトラマンに選ばれた経験があり、その際に大地隊員のフォローを受けた橘副隊長というところも非常に好きなんですよね。

 そして、Xioの隊員全員が一丸となって大地隊員の眠る(?)Xのカラータイマーを防衛する場面。必ずアスナ隊員が大地隊員を連れ帰ることを確信して神木隊長自らがウルトライザーでグリーザを迎撃する場面は無条件にかっこいいし、熱いんですよね。あと、特捜班のメンバーとはいえ、非戦闘員であるタケル隊員とチアキ隊員もが戦闘に参加しているところも本当に”最後の砦”感あっていいんですよね。そこを突破されたら本当に終わりという感じがね。

 あと、グリーザによってウルトライザーの攻撃を全て攻撃をすべて吸収されて、なす術もなく諦めそうになったところで、「ビビってんじゃねえ!」という力強い叫びと共にワタル隊員とマモル君がスペースマスケッティで帰ってくるくだり。配備されたばかりのジオマスケッティ二号機をリジェクトさせて突撃させるところで、「せっかくの二号機が!」と悲鳴を挙げるマモル君のところも好きなんですよね。好きな場面で言えば、「美しき終焉」よりも圧倒的に多いんですよね。

 好きと言えば、グリーザも第2形態よりも第3形態のほうが怪獣然としてて好きなんですよね。”無”の力は失われた分、攻撃力的なところで言えば第2形態よりも上というか。第2形態の特殊能力が反則すぎただけで、第3形態も十二分に強いというのがね。反則じみた特殊能力がなくても怪獣たちが力を貸してくれなかったら勝つことが叶わなかったほどには強かったというだけで十分魅力的というか。とは言え、グリーザは不可解な動きと、”無”であることが本質だったと思うので、それがなくなってしまったのは残念かな、とも。

 それはさておき、グリーザを打ち破ることができた奇跡の力・ハイブリッドアーマー。今思うと、グリーザが第3形態になるために吸収した怪獣たちというか、スパークドールズたちって大地隊員の研究対象であり、大地隊員が世話をしてきた怪獣たちであるわけだから、大地隊員に力を貸してくれた怪獣たちはみんな大地隊員と絆を育んできた怪獣たちなんですよね。そんな怪獣たちが力を貸してくれるわけだから、本当にハイブリッドアーマーって”絆でひとつになる世界”を体現した姿だったのかなって。リアルタイム放送当時としては、あくまで利害の一致による結果にしか見えなかったわけですけれど。

 そういう意味では、リアルタイム当時に不満に思ってたところというのはあくまで自分の読解力不足だったのかなあと思うところあるんですよね。読み込みが足りなかったというか。そう思うと、本当に不満なのはエクスラッガー周りの描写というか、両親周りの描写が足りてないことくらいなのかなって。そこさえ足りていれば文句の付け所のない最終回だったのかなって改めて思いましたね。