感想 ウルトラマンブレーザー 第10話「親と子」- ゲントとブレーザー、せめぎ合うふたつの意思(こころ) -
-
空色カラス
■ウルトラマンブレーザー
第10話「親と子」[2023年9月16日放送]
脚本:植竹須美男 脚本:越 知靖
ずっと待望だったウルトラ怪獣シリーズのガラモンのソフビ。本当は発売日に必ず買いに行こうと決めていたんですが、急遽お仕事になってしまいまして。ガラモン回観てからお仕事という感じで、帰りは夜なので、勿論玩具屋、家電量販店は時間的に閉まっておりますね。仕事に向かう前にちょちょっと買いにいくという手も無きにしもあらずだったんですが。ゲードスのときにみたいに何かしらの発売日と被って、レジが1時間待ちみたいなことになったら、遅刻も免れないのでその日は泣く泣く。
あらかじめ通販サイトで予約しておけばよかったんですが、怪獣ソフビが吊るしてある什器というか、棚から一匹レジに連れて行って、家に持ち帰るのが好きなので、出来れば店舗で買いたいんですよね。そんな感じでガラモンを探すのは、次の日の仕事帰りにといったところで。
その後のドルゴとかも、1日くらい買うのが遅れても在庫があったので、ガラモンも大丈夫だろう、と思ってたんですよね。ところがぎっちょん。実際仕事帰りに家電量販店に寄ったんですが、ガラモンの値札がかけられたフックに、ガラモンは1匹もいませんでした。在庫切れです。みんな大好きガラモンではありますが、正直ガラモン人気なめてましたね……。「おお、どうしたことか。ガラモンを連れて帰れないぞ……」と落ち込みながら帰宅。
仕方ないので通販サイトを片っ端から確認しても、Amazonさんは9月1日からずっと売り切れ状態で、転売価格。その他のサイトだと、ガラモンと同じくらいの送料を支払わないとガラモンが買えないという、ぐぬぬな状態に。店舗の在庫復活まで待つしかないかと思い、途方に暮れていたわけですが。

某所にて在庫が復活。思いがけず2個買いしてしまいましたね。ガラモンといえば、2体ですから。『ブレーザー』本編に2体のガラモンが出てきたら、手に負えないだろといったところではありますが。なんにしても、無事に手に入って嬉しかったですね。
ガラモンといえば、東京タワーなので、東京タワーの模型も一緒に買って並べたわけですが、サイズ感意識して買ったわけではないので、ガラモンがでかいのか。東京タワーが小さいのかになってしまって。ガラモンに丁度いいサイズの東京タワー、いずれ見つけたいですが、それまでに部屋が東京タワーの模型だらけになりそうで。
そうか、東京タワーの分だけ、ガラモンを増やせばいいのか。頭いいなあ、俺(ほとんどバカ)。あ、ケムール人と一緒に置いてもいいですよね。ベロクロンとか、マガタノオロチとか、メガロゾーアとか、ウルトラ怪獣だけでも東京タワーとゆかりのある怪獣がそこそこいるし、ウルトラ怪獣に限定しなければ、もっといろいろと楽しめそうですね。奥深いなあ、東京タワー。って、なんの話でしたっけ。

”命の行方を照らす”のは、何も人間に対してに限ってではない。この世界で生きる怪獣も、当てはまる。この世界で生きる命であることにはなんの違いはないのだから。その命を奪う権利を、誰か持てようか。この星に新しく芽吹いた命であるならば、尚の事で。そんな子を守る心に、人間も、怪獣も違いはないはずなのに、何が違っていて、何故怪獣だけは殲滅されねばならないのか。その線引きはどこにあるのか。
人間を守るために怪獣と戦うゲント隊長と、新たな生命に興味を抱きはじめたブレーザー。そこで起こる”命の選択”についての食い違い、せめぎ合うふたつの意思。本格的に、ゲント隊長と、ブレーザーの”対立”という名のコミュニケーションが本格的に始まって参りましたが、どこへ行ってどこに向かうのか。とても気になるお話でした。
第10話目にして、ヒルマ隊長の妻サトコさんと、息子のジュンくん登場。今まで写真しか出てこなかったこともあり、いろいろな憶測が飛び交っていたわけですが、僕は信じてましたよ。ちゃんと登場してくれるって。でも、家族間のコミュニケーション取れてるんだろうか?と思うくらいゲント隊長が働きづめなので、家族仲が冷めてたらどうしよう……と心配はあったんですが、仲睦まじい姿が観られてよかった思います。
というか、週7勤務の上、最前線で特殊部隊を指揮し、自分も戦うハードなお仕事から帰ってきたあとも、お皿洗いしたり、久々の休日にどこかへ行こうと提案したり、家族サービスも万全です。とか、ゲントさんが奇行に走っても全然おかしくない状況じゃないですか。ニジカガチ戦のときの入院とかも、ちゃんとご家族に連絡行ってるんでしょうか。ブレーザーとの共生がなくても、リアルウルトラマン状態で心配になります。
洗ってるお皿ごと流しから離れてTVに夢中になってるから、泡が大変なことになってるところまではともかくとして、ゲントが慌てて取り入ったのがミトンって。それで何する気なんですか。大丈夫ですか。でも、TVに夢中になってるのはブレーザーの方で。ブレーザーに意識乗っ取られてるときのゲント隊長の意識ってどこ行っちゃってるんでしょうね。
どこでも好きなところに連れてってあげるというジュンくんとの約束のもと、ニュースでやってた怪獣の卵がある山梨県の鬼涌谷へ。夏のハイキングの服装にしては厚手なので、季節的には秋の出来事なんでしょうか。ニジカガチのときといい、季節感がリアルタイムと同じくらいの感じで移行している?
それはそれとして、ブレーザーの動画をパッドで観たり、怪獣の卵が出たところに行きたがるとか、怪獣好きなんでしょうかね。ジュンくん。遊園地や、サファリパークには全然興味なくて、怪獣の卵に対しては興味津々な感じで観てましたもんね。怪獣の孵化に関しては、サトコさんも笑顔で見守ってたので、怪獣に関しては好意的なのかな。
というか、怪獣の卵だとすると、そんなところに連れて行っちゃって大丈夫?という疑問はあるんですが、一応その手の件については専門家だし、孵化しなければどうということはないという判断でしょうかね。にしても、「親と子」というサブタイトルなのに、叙述トリックかと思うかの如くに、ゲントの子を守る父親としての視点とか、葛藤が薄いのが結構気になってます。実質、新たに芽吹いた生命を尊さに目覚めたブレーザーのお話であって、なんか想定してた方向のお話と違うので、なんか調子狂ってるところあります。
自分がゲント隊長だとしたら、怪獣の危険性が1ミリでもあるなら、別のところに行くことを提案するというか。寧ろ、ジュンくんが好奇心旺盛で、自然が大好きみたいな設定にして、一緒にハイキングに出掛けたら偶然にも、河原の整地現場から卵らしきものが!みたいな方向にしたほうがよかったんじゃないかなって思うんですよね。怪獣退治の専門家が、怪獣災害の可能性を考慮せずに、家族を危険の可能性のある現場に連れて行くって、プロとしても軽率すぎるし、父親としても軽薄すぎませんか?みたいに感じてしまうのですが。
それはそれとして、河原のようなところで見つかった怪獣の卵。元からそこに産み落とされていたとするならば、アレでしょうかね。ニジカガチの巻き起こした暴風雨が卵が埋まってた地層を剥がしてしまったか。或いは、ニジカガチの暴風雨で崩れた地層から流れてあの河原に漂着したか。みたいな。
人に見つかるようなところに巨大な怪獣が卵を産み落とすとは考えにくいですしね。デマーガの見た目から推測するに、爬虫類系の怪獣なので、巣穴とか、深い地中にそういうところに卵を隠そうとするでしょうから。あんな浅い地層から見つかったとなると、そういうことなのかなとか。ちょっと想像が膨らみますね。
冒頭のニュースを聴く限りだと、整地中の現場というお話。谷。それも何もないような河原で整地するとなると、大規模な山崩れでも起きたか。河原に川の流れを塞いでしまう何かあったかみたいな感じはしますし。崩れてきたのかなあ、とか。
河原の卵が突然孵化し、中から怪獣が出てきた際に、思わず「これは…プテラノドンじゃない!翼竜の赤ちゃんなんかじゃない!」なんて僕の心の中の高嶋政宏さんが騒ぎ出したりしたり、しなかったりしたわけですが。それはそれとして、初めて卵から出てくるなら、もっと怪獣は何か粘ついてる感じのほうが生物感出たんじゃないとか思ったりしたわけですが。
ベビーデマーガが、本当にベビーゴジラみたいなゆるめのフォルムで可愛かったですね。もうちょっと目がくりっとしてるとよかったかなと思いつつも、まんがベビーゴジラになってしまうので、アレですね。『ゴジラVSメカゴジラ』は世代も世代なので、こういう怪獣の誕生シーンはやはりワクワクします。
ゲント隊長を除く、観光客は突然のベビーデマーガの誕生に歓喜というか、まるでゆるキャラか、愛玩動物でも見るかのようでしたが、怪獣災害が頻々と起きてる世界にしては、怪獣に対しての認識がゆるいな、と。怖くないのかな、と。普通に怪獣のいる世界だから、僕らがライオンとか、ワニの赤ちゃんを動物園で観て愛でる感覚みたいな感じでしょうか。でも、生まれたときから人間よりもやや大きい感じなので、襲われたら人間ならば簡単に撲殺されてしまうだろうし。熊とか猪とかで考えたら、やっぱり怖い気がするんですよね。
しかし、麻酔弾とはいえ、いきなりのベビーデマーガに対する発砲は本当に正しい処置だったのか、非常に気になります。元々、あの卵らしき岩が怪獣のそれならば、撤去や処理対象として地球防衛隊の見解は出ているので、アレなんですけれども。ウリ坊などの野生動物の子供の側には、必ず親がいるから、みだりに近づいてはいけないというのは、怪獣にも適応されると思うんですが。
怪獣の卵である可能性が示唆された段階で、特殊怪獣対応の専門チームであるSKaRDに話が行ってて、既に動いてないとちょっとおかしいですよね。明らかに卵についても調査不足だし、みたいな。親怪獣が出現する可能性とか全然考慮されてなければ、観光客がかなり距離まで近づける状態にあった。普通なら完全に現場近辺は封鎖ですよね。
今回のストーリーで気になるのは、完全に人間の行動に起因して、親デマーガが眠りから目覚めて暴れ出しているという点ですよね。今回のデマーガの出現と、それに起因する怪獣災害は、すべて人災といっても過言ではないんじゃないですか。今回、人里に向かうことなく、鬼湧谷の範囲で事件解決してるからよいものの、正直地球防衛隊の責任問題になりかねないヤツだと思うんですよね。それに明らかに人間が目覚めさせてるのに、これで人間がデマーガを殺したら、デマーガ完全に被害者ですよね。
人間と、人間の生きる世界を守りたいゲント隊長と、生きとし生けるものの生命を無闇に奪うことを疑問を抱くというか、生まれたばかりの生命に興味を持ちはじめたブレーザーのせめぎあいはとても好きなんですが。そのせめぎあいの発生の仕方にとても納得いってないというか。
前回のガラモンでもそうなんですが、まだ何もしてない怪獣に対して、生態の調査とかもろくに行わないで、先制攻撃から入るという点にかなり納得行ってないんですよね。で、なおかつニジカガチの暴風雨で、人間の文明だけでなく、怪獣さえ洗い流そうとする横峯教授の考えに異を唱えたテルアキ副隊長が、参謀長の命令とはいえ、いきなり全兵装攻撃をデマーガをぶつけるというのは、あまりにテルアキ副隊長らしくないなって。多少、全兵装攻撃の決断までに間があるので、テルアキ副隊長なりの葛藤はあったと思いますが。
しかし、思慮の浅い上の判断に、意見具申していくのがテルアキ副隊長だと思ってるし、ゲントスタイルというか、SKaRDスタイルで行くなら、逆らえないからこそ提案するのがSKaRDじゃないんですか。みたいな。ちょっと状況に流されすぎで、SKaRDらしくないかなって。まあ、聞く耳持たんって感じで、参謀長に通信一方的に切られてましたけど。
それはそれとして、最前線で戦う仕事に就くゲント隊長について、ご家族はどう思ってるんですか?というのはずっと気になってはいたんですが。しかも、週7のシフトだし。そうしたら、まさか仕事について家族に偽ってるとか思わないじゃないですか。施設科?施設課?施設科だとすると、軍隊でいえば工兵ですよね。戦闘支援ってそれこそ普通に戦うより危険な仕事なのでは?という気がするので、施設課なら防衛隊設備の維持管理業務になるだろうから、アレかなあみたいな。一応、防衛隊所属というところだけは嘘をついてないようですが。
しかし、至急ゲント隊長に連絡してみたら、「施設課のヒルマです~。すいません。ちょっと今、手が離せなくて~」とか、エミ隊員じゃなくても動揺しますよね。確かに声はゲント隊長なのに。とはいえ、今度の訓練の件(=デマーガへの攻撃のための作戦)は、ひとまずはテルアキさんとヤスノブさんで手配(=テルアキ、ヤスノブシフトでアースガロンに搭乗)を、と。実施については、地元の方と確認した上でこちらから連絡(=一旦、避難して安全を確保した上で、再度指示を送る)。大事な部分は伏せつつも、ちゃんと伝わるように言ってるところが面白いところで。
電話の最中の、ジュンくんとの適当なやりとり。アレアドリブだったんだ。とはいえ、やっぱり面倒なときに面倒な絡み方と怒りをぶつけてくる子供に対しての対処に手慣れてるところがパパさんだなあって。
作戦が決行されたのは兎も角して、避難中の避難民の上をミサイルと、アースガロンが高速で通り過ぎていく場面、ちょっと怖かったですね。なんか空爆みたいで。いや、空爆なんだけど。まだ避難民が避難してる最中なのに、あんな爆撃してしまっていいんでしょうか。谷が崩れてとか、避難民が巻き込まれるとか十分にありそうなのに。
今回のアースガロン、瞳のない目というか、あまりに機械的で無機質な目だったのが非常に気になりました。もっと愛嬌のある顔してた、よね……?完全に汎用怪獣型実戦兵器って感じじゃありませんか。親の下で、子供が泣きじゃくってるのをよそに、笑顔で全兵装攻撃とか、明らかに今回人間側をある種の悪意をこめて描いてますよね。それにしても、構造上仕方ないのかもですが、アレだけ爆撃食らってもデマーガが目を閉じないのがなんか生き物感を削いでるなあ、と感じてしまいます。
越監督のポスト見たら、やっぱりアースガロンの目は意図的だったみたいですね。嫌いじゃないけど、そこまで悪く見せる必要あったかな?という感じはありますね。思慮深さが感じられないテルアキ副隊長とか、戦闘時に変に浮かれてるヤスノブ隊員とか、ちょっとらしくなさが気になります。

今回、どちらの意思が怪獣を倒そうとして、どちらの意思がそれを止めようとしたのかの件で、SNSとかでもいろいろな考察がなされているわけですが、正直今回の話って完全に答え出てますよね。ゲント隊長の正義に呼応する訳でもなく、アースガロンの全兵装攻撃の前になすすべもなく泣きじゃくってるベビーデマーガの生命の危機を目の当たりにしたブレーザーの怒りによってブレーザーブレスが出現している。ひとつの命を救うのは、無限の未来を救うこと!!(WAOO!)的な感じですよね(ぇ
意図せぬブレーザーブレスの出現に、思わず「え!?」と大声をあげるゲント隊長。家族のいる前でブレーザーブレスが出現する。自分の意志で取り出したりすることが出来ないアイテムであればこそのシチュエーションなわけですが。あんなにデカいの腕につけてたらバレるだろ。というよりも、大声をあげた理由を「ちょっと躓いただけだ」とか、全体的に嘘が下手すぎませんか。ゲント隊長。嘘がつけないタイプか。
第2次攻撃に入る際に、何の警戒もなく近づいたアースガロンが、デマーガの熔鉄熱戦をまともに受けて、Mod.2を破壊された上、メインカメラも損傷とか、「えええ……」って感じでしたね。ニジカガチの虹光線をギリギリで回避できるアースガロンが避けないって、油断し過ぎじゃないですかね。あのときもMod.2ユニットついてたから、重量的問題で跳べなかったというのは無しですよね。ここからの一方的な蹂躙シーンは、あまりにも脚本の都合による負け戦感が強くて、ちょっと首を傾げてましたね。もうちょっとやりようがあったのでは……?
避難中の、ヒルマ家の会話というか、ジュンくんの「あの怪獣やっつけなきゃダメかな?」という疑問。やっつけなければ街が壊されてみんなが困る。それは間違いない。でも、街を襲うために出てきた訳ではなく、あくまで子を守るため。子供を守りたいと思う心は、怪獣に限っては罪と見なされるのか。同じ生き物のはずなのに。人も怪獣も何かを守りたいという気持ちは同じであるというところに気づくジュンくんは今度も優しい子に育っていくのだろうな、と思うわけですが。寧ろ、その優しさを失わないでくれと言わんばかりですが。
そのジュンくんの疑問にわだかまりのようなものを感じつつも、ウルトラマンとして現場に向かうことを決意するゲント隊長。サトコさんの視点からしたら、ゲントの「まだ逃げ遅れた人が残ってるかもしれない。行ってくる」に対して、「パパ、何いってんの?」となるのも頷ける。「俺も防衛隊だからな」とか、施設課所属(だと偽ってる)の人の言葉じゃないですよ。その上、今生の別れみたいな顔をして「(もし自分に何かあったら)ママのことを頼むぞ」、とジュンくんに言い聞かせる場面。あああああああああああああ、って感じでしたね。
これで帰ってこなかったパターンが、ナツカワハルキのお父さん(『ウルトラマンZ』参照)じゃないですか。ジュンくんにトラウマを植え付ける気ですか。ゲントさん。許さないですよ、そんなの。ゲント隊長に限ってそんなことはないとは思うんですが。ニジカガチ戦で、生死の境目を彷徨ってましたよね?おいおいおいおい!ですよ。サトコさんが、悲しそうな、それでいて、納得いってないような目で、ゲントを見つめつつ、ジュンくんに引っ張られていくところ、なんかホント自分も泣きそうでした。

とてつもなくシリアスな場面のあとで、ストーンに対して「分かったってば!」は、本当に情緒が狂うかと思いましたが、それはそれとして。ゲントが向かった方向からウルトラマンブレーザーの出現は、ちょっと勘がよければ気づいてそうな気もしますが。それも、サトコさんや、ジュンくんに背を向けた状態ですし。はてさて。でも、一回別の場所に登場して、飛んで現場に向かうのって、なんか初代ウルトラマンっぽくていいですね。
デマーガの背から撃ち出されるメテオみたいな攻撃。火炎弾?に対し、早くもレインボー光輪を発動させるブレーザー。インナースペース内のゲント隊長の腕がちゃんと私服になってるのが非常に細かいというか。この回のためにバンク撮りなおすとかご苦労さまです。それはそれとして、もう必殺技とか早くない?大丈夫?
……と思ったら、光輪を高速回転させてシールド化。更には、虹色の中から氷雪を思わせる冷たい水色の刃を選択するかのような演出と共に、刃が全部水色に。そして、輪の中心から冷凍ガスを噴射して、デマーガを動きを封じた。なんか、『帰ってきたウルトラマン』のウルトラブレスレットの形態のひとつ。ウルトラディフェンダーみたいな使い方が出来ることに、「な、何!?」と思わず声をあげちゃいましたね。というか、もしやレインボー光輪。七色それぞれ違う属性の攻撃が出せたりするんでしょうか。赤なら熱、黄色なら雷、緑なら風、紫なら…黒い虹光線みたいな。ちょっとロマン感じますね。
冷凍ガスを浴びせ、動きを止めたデマーガに対し、光の槍を引き抜いては恐る恐る近づき、とどめを刺さんとするブレーザー。左手からまるで奪い取るかのように光の槍を右手に持ち帰る仕草にも「おや?」という感じでしたが、ベビーデマーガの姿を見るなり、光の槍を投擲せんとする右手を左手で止めたのには驚きました。光の槍を奪い合い、そのままポイ捨て。挙句の果てには、自分の顔面を殴ったり、左側の頭のクリスタルの部分や、顔面を掴みだし、暴れ出した。一体何が起きているのか。
ブレーザーの中で、ブレーザーの意思と、ゲント隊長の意思がせめぎ合ってるのは分かるんですが、端から見ると……
「べらぼうにでたらめな巨人、ウルトラマンブレーザーである」
って感じでしたね。動きがでたらめすぎて。ここまで意思が真っ二つに割れてしまうと、基本なら変身解除だと思うんですが、そうならないのは共生関係が進んでるがゆえ?ここまで意味分からない宇宙人感は、ウルトラシリーズでも初めてじゃないですか。
更に、ウルトラマンブレーザーは奇行を極め、防衛隊の第三次攻撃のミサイルをすべて咆哮による衝撃波で撃ち落とすという前代未聞の行動に。この際、クリスタル部分が燃えるかのように、青くエネルギーが揺らめいていたのは何の合図だろうか。ブレーザーの中でリミッターが外れた合図でしょうか。それとも怒りによるエネルギーの具現化?本当に、「どういうこと?ブレーザー?」という感じです。にしても、防衛隊の作戦。それも、ハルノ参謀長指揮の作戦での妨害行動。完全に、ハルノ参謀長からは怪獣と同質の存在と見なされた感じありますね。ブレーザーと防衛隊の関係、どうなることやら……
防衛隊の攻撃を妨害したブレーザーは、再度光の槍を引き抜き、何をするかと思えば、二重螺旋の光を解き、二種類の金色の糸状の光に。光の槍が解ける演出は非常に美しかったですね。敵を貫くためだけの武器ではなく、相手を包み込む道具でもある、と。
金色の糸状の光は親子のデマーガを包み込み、大きな繭に。繭の中で、眠りにつく親子。劇伴や演出も相まって、とても穏やかな気持ちに。ブレーザーのこと、蛮族とか言ってごめんね。君に、そんな優しい力があったなんて。元々、エネルギーとかかたちなきものを自在に操れる能力を持ったウルトラマンなのかもしれないですね。スパイラルバレードや、レインボー光輪でもそうですが。
今回の件、デマーガは倒されてないので何も解決はしてないようではありますが、人の無闇な行動によって、本来ならば休眠状態のデマーガを目覚めさせてしまっている。それを今一度、子と共に眠らせる。そうすることで、デマーガを無闇に出現させてしまった人災自体は解決はしてるんですよね。
確かに怪獣災害そのものはなにひとつ解決はしてないし、殲滅対象にあったデマーガを逃したことでウルトラマンも防衛隊から敵視されてもおかしくない状況になり、より状況が悪くなったところもあるという。ハルノ参謀長が今回のブレーザーの行いをどう見るか。どう判断するか。それが今後の展開を大きく左右しそうで怖いですね。
戦いのあと、丘の上で再会するヒルマ一家。パパが帰ってこない心細さと、パパが帰ってきた嬉しさとが入り混じった感じいいですよね。それにしてもこのときの、ジュンくんとゲントの会話。ここもまた、例の疑問に対する答え合わせになってますよね。
冒頭のパッドでブレーザーの戦闘を観てるジュンくんに対して、「おお、ブレーザーか。かっこいいよなあ」と、正体は明かせないなりに息子に見栄を張りたい感出してたゲントが、ジュンくんに「今日のブレーザーはよかった!今までで一番よかった!」と言われて、自信持って「そうだろそうだろ」みたいな感じじゃなくて、そっかみたいな感じの態度を取ってたのを見るに、デマーガを倒さんとしたのはやはりゲント隊長の意思ですよね、と。ジュンくん褒められてるのに、ちょっと納得言ってない感な顔してますし。
そのあと、性懲りもなく「ブレーザーどこがよかった?」とかジュンくんに聴いちゃうゲントパパ。冒頭で「ブレーザーか。かっこいいよなあ」と言われて素っ気ない返事してた怪獣派のジュンくんもニッコリな戦いの結末でしたし。そりゃあジュンくんも、「全部」って答えちゃいますよね。とはいえ、怪獣を助けたところじゃなくて、べらぼうな動きに対して、「今までで一番よかった」とか言っちゃうタイプのお子様だと、ちょっとアレですが。ジュンくん、TAROMAN好きかい?
しかし、ホント叙述トリックみたいなお話だったなあ。サブタイトルから想像できない方向に話が進んだというか。親である前に防衛隊の隊長なのか。防衛隊の隊長である前に親なのか。ゲント隊長自身がウルトラマンであることをなんらかのかたちで試されるお話かと思えば、悪政を敷く代官に対して大魔神が怒るとか、ガメラは子供の味方みたいな具合というか。
本来ならば、掬われず見過ごされるような小さな悲しみに、ウルトラマンが怒りを燃やすみたいな。ちょっとウルトラシリーズでは類を見ないお話になったかな。またしても、越監督はウルトラシリーズに爪痕をしっかり残していきましたね。
命の選択も、家族か怪獣かみたいな選択なのかとか思ってましたし。デマーガを活かすか殺すかの選択だったとは。一本取られました。一番一本取られたのは、ブレーザーに怪獣を鎮める能力というか、手段があるということでしたが。一体、宇宙でどんな狩りをしてきたのか。とても気になってきました。
ただ、監督がやりたかったことはウルトラマンの怒りのほうであって、生命の選択のほうでなくて、結果的に命と向き合う話になった加減もあるんでしょうけれど。結果的にそういう話になったために、そのテーマを描くにあたっての前提条件クリアされてないというか。シチュエーションだけを切り取って観たら、それっぽく見えるんだけど全体を見渡してみると、歪なお話になってしまってたなって気がしますね。
『ウルトラマンX』第1話で鮮烈なデビューを飾って以来、すっかりお馴染みの怪獣になりましたデマーガ。今回、デマーガを撮るにあたって、デマーガは長男坊(みたいなもの)だから弱く見えるように描かないでほしいとの、田口清隆監督から直々に依頼があったとか。依頼というよりも釘を刺す?そんな具合もあってか、だいぶ強靭なデマーガとして描かれておりましたね。子を守る母は強し?みたいな。ママ怪獣なのか、パパ怪獣なのかはさておき。
身体の79%が熔けた鉄なんでしたっけ。出現すると、近くにあった川が沸騰して干上がるほどの高熱を持った怪獣だったわけですが、そういう描写は今回なかったですね。本来ならば山火事を誘発してもおかしくないみたいな。とはいえ、そんな高熱怪獣に冷凍ガスを浴びせたら、体を構成する鉄が砕けるのでは。砕けなくてよかったですけど。
アースガロンの全兵装攻撃を完全に耐えきった上で、熔鉄熱戦からの反撃で、アースガロンを一方的に蹂躙する。かつては後手に回りながらも、どうにか人間の力だけで怪獣災害と戦ってきた地球防衛隊の最新鋭の特殊戦術機甲獣がこうも容易くやられてしまっては、仮に人里に降りて街を破壊しだしたら、手がつけられなかったというヤツですよね。
ニジカガチは神か、それに準ずる高次元の存在が実体を持って怪獣化したもの。ガラモンは未知の宇宙合金で作られたロボット怪獣。人間の力では手に余るほどの相手だったとしても不思議ではないんですが。少なくともデマーガは、地球の天然自然に棲まう怪獣ですよね。これまでの出現については不明なものの、卵に関しての調査や処置。怪獣出現後の動きに関しても、あまりに思慮が足らなかったのが結構気になってます。勝てる戦いに敢えて負けに行ったみたいな。
いくらハルノ参謀長がタカ派だったとしても、持てる火力を全部ぶつけたら倒せるみたいな考えは非常に甘かったと思うんですよね。ウルトラマンブレーザーがいなかったら、鬼湧谷一帯はぺんぺん草一本さえ残ってない焦土になっていてもおかしくはなかったですよね。デマーガの怒り具合からしたら。
デマーガが強いとか、弱いとか以前に、これまで怪獣を対処してきた組織にしてはあまりに作戦が雑というか、練度が甘い。初めて怪獣に対処する組織ならば仕方ないが、もう設立して60年くらいになる設定でしたよね?地球防衛隊って。シナリオ的に、生命の重さについてを重視するあまり、軍事描写についてはディテール不足みたいな感じになってしまっているところがあった気がします。
それ以上に、どうして怪獣災害が起こる可能性も予測できた鬼湧谷に、家族を連れて行ってしまったのか。放送前のインタビューで脚本に関しては、こうはならないだろという部分をみんなでつっこんで直している。脚本はかなり時間かけて作り込んでるみたいなお話をしてた気がするんですが。セットとか、世界観の作り込みに関しては、ハードSFの領域まで来てる感じはあるものの、脚本に関してはハードSFとして見るにはディテールが足りてないかなあ、とか。
それもあって、確かにデマーガは強かったけど、見たかった強さとは違うというか。全兵装攻撃とかに耐えきる強靭さについては納得していますが。凄いの始まったな!みたいなワクワク感の強かった第1話からすると、お話の中の問いかけについては考えさせられるけど、なんか違うんだよなあみたいな気持ちがよぎるというか。
そして、今回初登場のベビーデマーガ。デマーガの成体はあんなに巨大なのに、生まれたての子供は人間より若干大きい程度で、一体何喰って育つんだろう?鉄?それとも、マグロ?(何故マグロ)と気になっておりました。ベビーゴジラも、次の作品で一気に30メートルぐらいに大きくなってたので、デマーガもきっと1年ぐらいで一気に育つのかな。とはいえ、ベビーゴジラはゴジラの放射能の影響で急成長かつ、巨大化したんでしたっけ。デマーガからは放射能は出てないと思うので、時間かけてすくすく大きくなっていくのかもですね。
ジュンくんの目の前で、ベビーデマーガが無惨に生命を奪われるような悲しい展開にならなくてよかったなと思う反面、こいつが大きくなって暴れ出した日には、誰にもあの日の赤ちゃんだとは思わないから、殲滅されてしまうのかなあ、とか。少なからず人とのふれあいがあったベビーゴジラと違って、完全に人間からは殲滅対象として観られてましたしね。まあ、活かしておいても厄介な怪獣であることは、これまでのシリーズ観てる方々すればご存知ではあると思うんですが。
せめて研究対象として研究施設に持ち帰った卵が孵化して、研究員とか、例えば偶々そこに来てきたジュンくんを親だと思うみたいなイベントでもあれば、人に優しいデマーガになっていくのでしょうけれども。人によって怖い思いをさせられてしまっているので、どうか人に恨みを持ったデマーガに育たないでほしいと思うばかりです。人がまず怪獣に優しくないのに、身勝手なお願いではあるんですが。何にしても、今はおやすみ。ベビー。
そろそろ折り返し地点で、中ボス登場と言ったところなんでしょうけれども。ニジカガチ戦で、レールキャノンの弾丸が大気圏を離脱した際に「これなら宇宙から何が来ても撃墜できるな」なんてゲント隊長が言ってましたけども。ガラモンといい、今回の謎の敵といい、隕石降り過ぎじゃないですかね。あのセリフで、何かしらのフラグが立ってしまったか?
というか、『ウルトラマンブレーザー』本編に登場する14体の怪獣が発表されたプレミア発表会のときでも、こんなヤツいませんでしたよね?な、なんだこいつは。まさか、『ウルトラマンブレーザー』も恐怖の円盤生物シリーズに突入か!?(ぇ なんか円盤生物っぽいですよね。登場シチュエーションも含め。
次回の『ウルトラマンブレーザー』 第11話「エスケープ」。第1話「ファースト・ウェイブ」以来のカタカナサブタイですが、物語の重要地点はそういう感じになるんでしょうかね。にしても、エスケープか。「あなたはいいものかしら?」と問いかけてくるある組織の女幹部とはまったく関係ないですよね。当たり前ですね。とすると……
ってな感じですかね(何が
でも、本当にSOSを叫びながら、エスケープしなきゃいけないくらいヤバい敵ってことですよね。次回のアイツ。やっぱり円盤生物では?違うの?

第10話「親と子」[2023年9月16日放送]
脚本:植竹須美男 脚本:越 知靖
ずっと待望だったウルトラ怪獣シリーズのガラモンのソフビ。本当は発売日に必ず買いに行こうと決めていたんですが、急遽お仕事になってしまいまして。ガラモン回観てからお仕事という感じで、帰りは夜なので、勿論玩具屋、家電量販店は時間的に閉まっておりますね。仕事に向かう前にちょちょっと買いにいくという手も無きにしもあらずだったんですが。ゲードスのときにみたいに何かしらの発売日と被って、レジが1時間待ちみたいなことになったら、遅刻も免れないのでその日は泣く泣く。
あらかじめ通販サイトで予約しておけばよかったんですが、怪獣ソフビが吊るしてある什器というか、棚から一匹レジに連れて行って、家に持ち帰るのが好きなので、出来れば店舗で買いたいんですよね。そんな感じでガラモンを探すのは、次の日の仕事帰りにといったところで。
その後のドルゴとかも、1日くらい買うのが遅れても在庫があったので、ガラモンも大丈夫だろう、と思ってたんですよね。ところがぎっちょん。実際仕事帰りに家電量販店に寄ったんですが、ガラモンの値札がかけられたフックに、ガラモンは1匹もいませんでした。在庫切れです。みんな大好きガラモンではありますが、正直ガラモン人気なめてましたね……。「おお、どうしたことか。ガラモンを連れて帰れないぞ……」と落ち込みながら帰宅。
仕方ないので通販サイトを片っ端から確認しても、Amazonさんは9月1日からずっと売り切れ状態で、転売価格。その他のサイトだと、ガラモンと同じくらいの送料を支払わないとガラモンが買えないという、ぐぬぬな状態に。店舗の在庫復活まで待つしかないかと思い、途方に暮れていたわけですが。

某所にて在庫が復活。思いがけず2個買いしてしまいましたね。ガラモンといえば、2体ですから。『ブレーザー』本編に2体のガラモンが出てきたら、手に負えないだろといったところではありますが。なんにしても、無事に手に入って嬉しかったですね。
ガラモンといえば、東京タワーなので、東京タワーの模型も一緒に買って並べたわけですが、サイズ感意識して買ったわけではないので、ガラモンがでかいのか。東京タワーが小さいのかになってしまって。ガラモンに丁度いいサイズの東京タワー、いずれ見つけたいですが、それまでに部屋が東京タワーの模型だらけになりそうで。

そうか、東京タワーの分だけ、ガラモンを増やせばいいのか。頭いいなあ、俺(ほとんどバカ)。あ、ケムール人と一緒に置いてもいいですよね。ベロクロンとか、マガタノオロチとか、メガロゾーアとか、ウルトラ怪獣だけでも東京タワーとゆかりのある怪獣がそこそこいるし、ウルトラ怪獣に限定しなければ、もっといろいろと楽しめそうですね。奥深いなあ、東京タワー。って、なんの話でしたっけ。
■怪獣の親子の命の行方は?ふたつに割れたゲントとブレーザーの意思のその後が気になる第10話

”命の行方を照らす”のは、何も人間に対してに限ってではない。この世界で生きる怪獣も、当てはまる。この世界で生きる命であることにはなんの違いはないのだから。その命を奪う権利を、誰か持てようか。この星に新しく芽吹いた命であるならば、尚の事で。そんな子を守る心に、人間も、怪獣も違いはないはずなのに、何が違っていて、何故怪獣だけは殲滅されねばならないのか。その線引きはどこにあるのか。
人間を守るために怪獣と戦うゲント隊長と、新たな生命に興味を抱きはじめたブレーザー。そこで起こる”命の選択”についての食い違い、せめぎ合うふたつの意思。本格的に、ゲント隊長と、ブレーザーの”対立”という名のコミュニケーションが本格的に始まって参りましたが、どこへ行ってどこに向かうのか。とても気になるお話でした。

第10話目にして、ヒルマ隊長の妻サトコさんと、息子のジュンくん登場。今まで写真しか出てこなかったこともあり、いろいろな憶測が飛び交っていたわけですが、僕は信じてましたよ。ちゃんと登場してくれるって。でも、家族間のコミュニケーション取れてるんだろうか?と思うくらいゲント隊長が働きづめなので、家族仲が冷めてたらどうしよう……と心配はあったんですが、仲睦まじい姿が観られてよかった思います。
というか、週7勤務の上、最前線で特殊部隊を指揮し、自分も戦うハードなお仕事から帰ってきたあとも、お皿洗いしたり、久々の休日にどこかへ行こうと提案したり、家族サービスも万全です。とか、ゲントさんが奇行に走っても全然おかしくない状況じゃないですか。ニジカガチ戦のときの入院とかも、ちゃんとご家族に連絡行ってるんでしょうか。ブレーザーとの共生がなくても、リアルウルトラマン状態で心配になります。

洗ってるお皿ごと流しから離れてTVに夢中になってるから、泡が大変なことになってるところまではともかくとして、ゲントが慌てて取り入ったのがミトンって。それで何する気なんですか。大丈夫ですか。でも、TVに夢中になってるのはブレーザーの方で。ブレーザーに意識乗っ取られてるときのゲント隊長の意識ってどこ行っちゃってるんでしょうね。

どこでも好きなところに連れてってあげるというジュンくんとの約束のもと、ニュースでやってた怪獣の卵がある山梨県の鬼涌谷へ。夏のハイキングの服装にしては厚手なので、季節的には秋の出来事なんでしょうか。ニジカガチのときといい、季節感がリアルタイムと同じくらいの感じで移行している?
それはそれとして、ブレーザーの動画をパッドで観たり、怪獣の卵が出たところに行きたがるとか、怪獣好きなんでしょうかね。ジュンくん。遊園地や、サファリパークには全然興味なくて、怪獣の卵に対しては興味津々な感じで観てましたもんね。怪獣の孵化に関しては、サトコさんも笑顔で見守ってたので、怪獣に関しては好意的なのかな。

というか、怪獣の卵だとすると、そんなところに連れて行っちゃって大丈夫?という疑問はあるんですが、一応その手の件については専門家だし、孵化しなければどうということはないという判断でしょうかね。にしても、「親と子」というサブタイトルなのに、叙述トリックかと思うかの如くに、ゲントの子を守る父親としての視点とか、葛藤が薄いのが結構気になってます。実質、新たに芽吹いた生命を尊さに目覚めたブレーザーのお話であって、なんか想定してた方向のお話と違うので、なんか調子狂ってるところあります。
自分がゲント隊長だとしたら、怪獣の危険性が1ミリでもあるなら、別のところに行くことを提案するというか。寧ろ、ジュンくんが好奇心旺盛で、自然が大好きみたいな設定にして、一緒にハイキングに出掛けたら偶然にも、河原の整地現場から卵らしきものが!みたいな方向にしたほうがよかったんじゃないかなって思うんですよね。怪獣退治の専門家が、怪獣災害の可能性を考慮せずに、家族を危険の可能性のある現場に連れて行くって、プロとしても軽率すぎるし、父親としても軽薄すぎませんか?みたいに感じてしまうのですが。

それはそれとして、河原のようなところで見つかった怪獣の卵。元からそこに産み落とされていたとするならば、アレでしょうかね。ニジカガチの巻き起こした暴風雨が卵が埋まってた地層を剥がしてしまったか。或いは、ニジカガチの暴風雨で崩れた地層から流れてあの河原に漂着したか。みたいな。
人に見つかるようなところに巨大な怪獣が卵を産み落とすとは考えにくいですしね。デマーガの見た目から推測するに、爬虫類系の怪獣なので、巣穴とか、深い地中にそういうところに卵を隠そうとするでしょうから。あんな浅い地層から見つかったとなると、そういうことなのかなとか。ちょっと想像が膨らみますね。
冒頭のニュースを聴く限りだと、整地中の現場というお話。谷。それも何もないような河原で整地するとなると、大規模な山崩れでも起きたか。河原に川の流れを塞いでしまう何かあったかみたいな感じはしますし。崩れてきたのかなあ、とか。

河原の卵が突然孵化し、中から怪獣が出てきた際に、思わず「これは…プテラノドンじゃない!翼竜の赤ちゃんなんかじゃない!」なんて僕の心の中の高嶋政宏さんが騒ぎ出したりしたり、しなかったりしたわけですが。それはそれとして、初めて卵から出てくるなら、もっと怪獣は何か粘ついてる感じのほうが生物感出たんじゃないとか思ったりしたわけですが。
ベビーデマーガが、本当にベビーゴジラみたいなゆるめのフォルムで可愛かったですね。もうちょっと目がくりっとしてるとよかったかなと思いつつも、まんがベビーゴジラになってしまうので、アレですね。『ゴジラVSメカゴジラ』は世代も世代なので、こういう怪獣の誕生シーンはやはりワクワクします。

ゲント隊長を除く、観光客は突然のベビーデマーガの誕生に歓喜というか、まるでゆるキャラか、愛玩動物でも見るかのようでしたが、怪獣災害が頻々と起きてる世界にしては、怪獣に対しての認識がゆるいな、と。怖くないのかな、と。普通に怪獣のいる世界だから、僕らがライオンとか、ワニの赤ちゃんを動物園で観て愛でる感覚みたいな感じでしょうか。でも、生まれたときから人間よりもやや大きい感じなので、襲われたら人間ならば簡単に撲殺されてしまうだろうし。熊とか猪とかで考えたら、やっぱり怖い気がするんですよね。

しかし、麻酔弾とはいえ、いきなりのベビーデマーガに対する発砲は本当に正しい処置だったのか、非常に気になります。元々、あの卵らしき岩が怪獣のそれならば、撤去や処理対象として地球防衛隊の見解は出ているので、アレなんですけれども。ウリ坊などの野生動物の子供の側には、必ず親がいるから、みだりに近づいてはいけないというのは、怪獣にも適応されると思うんですが。
怪獣の卵である可能性が示唆された段階で、特殊怪獣対応の専門チームであるSKaRDに話が行ってて、既に動いてないとちょっとおかしいですよね。明らかに卵についても調査不足だし、みたいな。親怪獣が出現する可能性とか全然考慮されてなければ、観光客がかなり距離まで近づける状態にあった。普通なら完全に現場近辺は封鎖ですよね。

今回のストーリーで気になるのは、完全に人間の行動に起因して、親デマーガが眠りから目覚めて暴れ出しているという点ですよね。今回のデマーガの出現と、それに起因する怪獣災害は、すべて人災といっても過言ではないんじゃないですか。今回、人里に向かうことなく、鬼湧谷の範囲で事件解決してるからよいものの、正直地球防衛隊の責任問題になりかねないヤツだと思うんですよね。それに明らかに人間が目覚めさせてるのに、これで人間がデマーガを殺したら、デマーガ完全に被害者ですよね。
人間と、人間の生きる世界を守りたいゲント隊長と、生きとし生けるものの生命を無闇に奪うことを疑問を抱くというか、生まれたばかりの生命に興味を持ちはじめたブレーザーのせめぎあいはとても好きなんですが。そのせめぎあいの発生の仕方にとても納得いってないというか。

前回のガラモンでもそうなんですが、まだ何もしてない怪獣に対して、生態の調査とかもろくに行わないで、先制攻撃から入るという点にかなり納得行ってないんですよね。で、なおかつニジカガチの暴風雨で、人間の文明だけでなく、怪獣さえ洗い流そうとする横峯教授の考えに異を唱えたテルアキ副隊長が、参謀長の命令とはいえ、いきなり全兵装攻撃をデマーガをぶつけるというのは、あまりにテルアキ副隊長らしくないなって。多少、全兵装攻撃の決断までに間があるので、テルアキ副隊長なりの葛藤はあったと思いますが。
しかし、思慮の浅い上の判断に、意見具申していくのがテルアキ副隊長だと思ってるし、ゲントスタイルというか、SKaRDスタイルで行くなら、逆らえないからこそ提案するのがSKaRDじゃないんですか。みたいな。ちょっと状況に流されすぎで、SKaRDらしくないかなって。まあ、聞く耳持たんって感じで、参謀長に通信一方的に切られてましたけど。

それはそれとして、最前線で戦う仕事に就くゲント隊長について、ご家族はどう思ってるんですか?というのはずっと気になってはいたんですが。しかも、週7のシフトだし。そうしたら、まさか仕事について家族に偽ってるとか思わないじゃないですか。施設科?施設課?施設科だとすると、軍隊でいえば工兵ですよね。戦闘支援ってそれこそ普通に戦うより危険な仕事なのでは?という気がするので、施設課なら防衛隊設備の維持管理業務になるだろうから、アレかなあみたいな。一応、防衛隊所属というところだけは嘘をついてないようですが。

しかし、至急ゲント隊長に連絡してみたら、「施設課のヒルマです~。すいません。ちょっと今、手が離せなくて~」とか、エミ隊員じゃなくても動揺しますよね。確かに声はゲント隊長なのに。とはいえ、今度の訓練の件(=デマーガへの攻撃のための作戦)は、ひとまずはテルアキさんとヤスノブさんで手配(=テルアキ、ヤスノブシフトでアースガロンに搭乗)を、と。実施については、地元の方と確認した上でこちらから連絡(=一旦、避難して安全を確保した上で、再度指示を送る)。大事な部分は伏せつつも、ちゃんと伝わるように言ってるところが面白いところで。
パパ怪獣かな?そっくりだ!ねーぇ!パパ怪獣かな?
— 蕨野友也 (@yaaaateam) September 16, 2023
…あ〜パパ怪獣パパ怪獣🎵
テキトーに言わないで‼️
…じゃあママ怪獣だな…🎵
(無論、アドリブ)#ウルトラマンブレーザー
電話の最中の、ジュンくんとの適当なやりとり。アレアドリブだったんだ。とはいえ、やっぱり面倒なときに面倒な絡み方と怒りをぶつけてくる子供に対しての対処に手慣れてるところがパパさんだなあって。

作戦が決行されたのは兎も角して、避難中の避難民の上をミサイルと、アースガロンが高速で通り過ぎていく場面、ちょっと怖かったですね。なんか空爆みたいで。いや、空爆なんだけど。まだ避難民が避難してる最中なのに、あんな爆撃してしまっていいんでしょうか。谷が崩れてとか、避難民が巻き込まれるとか十分にありそうなのに。

今回のアースガロン、瞳のない目というか、あまりに機械的で無機質な目だったのが非常に気になりました。もっと愛嬌のある顔してた、よね……?完全に汎用怪獣型実戦兵器って感じじゃありませんか。親の下で、子供が泣きじゃくってるのをよそに、笑顔で全兵装攻撃とか、明らかに今回人間側をある種の悪意をこめて描いてますよね。それにしても、構造上仕方ないのかもですが、アレだけ爆撃食らってもデマーガが目を閉じないのがなんか生き物感を削いでるなあ、と感じてしまいます。
アースガロンの黒目をなくしたのは防衛隊側を悪くみせたいからです。
— 越 知靖 (@juliet3comet) September 18, 2023
瞳があると感情移入がアースガロン側にきてしまうおそれがあり、今回は怪獣側に感情移入してもらうために敢えてこのような形にしました。
瞳がないだけでかなり怖くなったので狙いどおりかと。#ウルトラマンブレーザー pic.twitter.com/WtiVVDgDjQ
越監督のポスト見たら、やっぱりアースガロンの目は意図的だったみたいですね。嫌いじゃないけど、そこまで悪く見せる必要あったかな?という感じはありますね。思慮深さが感じられないテルアキ副隊長とか、戦闘時に変に浮かれてるヤスノブ隊員とか、ちょっとらしくなさが気になります。

今回、どちらの意思が怪獣を倒そうとして、どちらの意思がそれを止めようとしたのかの件で、SNSとかでもいろいろな考察がなされているわけですが、正直今回の話って完全に答え出てますよね。ゲント隊長の正義に呼応する訳でもなく、アースガロンの全兵装攻撃の前になすすべもなく泣きじゃくってるベビーデマーガの生命の危機を目の当たりにしたブレーザーの怒りによってブレーザーブレスが出現している。

意図せぬブレーザーブレスの出現に、思わず「え!?」と大声をあげるゲント隊長。家族のいる前でブレーザーブレスが出現する。自分の意志で取り出したりすることが出来ないアイテムであればこそのシチュエーションなわけですが。あんなにデカいの腕につけてたらバレるだろ。というよりも、大声をあげた理由を「ちょっと躓いただけだ」とか、全体的に嘘が下手すぎませんか。ゲント隊長。嘘がつけないタイプか。

第2次攻撃に入る際に、何の警戒もなく近づいたアースガロンが、デマーガの熔鉄熱戦をまともに受けて、Mod.2を破壊された上、メインカメラも損傷とか、「えええ……」って感じでしたね。ニジカガチの虹光線をギリギリで回避できるアースガロンが避けないって、油断し過ぎじゃないですかね。あのときもMod.2ユニットついてたから、重量的問題で跳べなかったというのは無しですよね。ここからの一方的な蹂躙シーンは、あまりにも脚本の都合による負け戦感が強くて、ちょっと首を傾げてましたね。もうちょっとやりようがあったのでは……?

避難中の、ヒルマ家の会話というか、ジュンくんの「あの怪獣やっつけなきゃダメかな?」という疑問。やっつけなければ街が壊されてみんなが困る。それは間違いない。でも、街を襲うために出てきた訳ではなく、あくまで子を守るため。子供を守りたいと思う心は、怪獣に限っては罪と見なされるのか。同じ生き物のはずなのに。人も怪獣も何かを守りたいという気持ちは同じであるというところに気づくジュンくんは今度も優しい子に育っていくのだろうな、と思うわけですが。寧ろ、その優しさを失わないでくれと言わんばかりですが。

そのジュンくんの疑問にわだかまりのようなものを感じつつも、ウルトラマンとして現場に向かうことを決意するゲント隊長。サトコさんの視点からしたら、ゲントの「まだ逃げ遅れた人が残ってるかもしれない。行ってくる」に対して、「パパ、何いってんの?」となるのも頷ける。「俺も防衛隊だからな」とか、施設課所属(だと偽ってる)の人の言葉じゃないですよ。その上、今生の別れみたいな顔をして「(もし自分に何かあったら)ママのことを頼むぞ」、とジュンくんに言い聞かせる場面。あああああああああああああ、って感じでしたね。

これで帰ってこなかったパターンが、ナツカワハルキのお父さん(『ウルトラマンZ』参照)じゃないですか。ジュンくんにトラウマを植え付ける気ですか。ゲントさん。許さないですよ、そんなの。ゲント隊長に限ってそんなことはないとは思うんですが。ニジカガチ戦で、生死の境目を彷徨ってましたよね?おいおいおいおい!ですよ。サトコさんが、悲しそうな、それでいて、納得いってないような目で、ゲントを見つめつつ、ジュンくんに引っ張られていくところ、なんかホント自分も泣きそうでした。

とてつもなくシリアスな場面のあとで、ストーンに対して「分かったってば!」は、本当に情緒が狂うかと思いましたが、それはそれとして。ゲントが向かった方向からウルトラマンブレーザーの出現は、ちょっと勘がよければ気づいてそうな気もしますが。それも、サトコさんや、ジュンくんに背を向けた状態ですし。はてさて。でも、一回別の場所に登場して、飛んで現場に向かうのって、なんか初代ウルトラマンっぽくていいですね。

デマーガの背から撃ち出されるメテオみたいな攻撃。火炎弾?に対し、早くもレインボー光輪を発動させるブレーザー。インナースペース内のゲント隊長の腕がちゃんと私服になってるのが非常に細かいというか。この回のためにバンク撮りなおすとかご苦労さまです。それはそれとして、もう必殺技とか早くない?大丈夫?

……と思ったら、光輪を高速回転させてシールド化。更には、虹色の中から氷雪を思わせる冷たい水色の刃を選択するかのような演出と共に、刃が全部水色に。そして、輪の中心から冷凍ガスを噴射して、デマーガを動きを封じた。なんか、『帰ってきたウルトラマン』のウルトラブレスレットの形態のひとつ。ウルトラディフェンダーみたいな使い方が出来ることに、「な、何!?」と思わず声をあげちゃいましたね。というか、もしやレインボー光輪。七色それぞれ違う属性の攻撃が出せたりするんでしょうか。赤なら熱、黄色なら雷、緑なら風、紫なら…黒い虹光線みたいな。ちょっとロマン感じますね。

冷凍ガスを浴びせ、動きを止めたデマーガに対し、光の槍を引き抜いては恐る恐る近づき、とどめを刺さんとするブレーザー。左手からまるで奪い取るかのように光の槍を右手に持ち帰る仕草にも「おや?」という感じでしたが、ベビーデマーガの姿を見るなり、光の槍を投擲せんとする右手を左手で止めたのには驚きました。光の槍を奪い合い、そのままポイ捨て。挙句の果てには、自分の顔面を殴ったり、左側の頭のクリスタルの部分や、顔面を掴みだし、暴れ出した。一体何が起きているのか。
ブレーザーの中で、ブレーザーの意思と、ゲント隊長の意思がせめぎ合ってるのは分かるんですが、端から見ると……

「べらぼうにでたらめな巨人、ウルトラマンブレーザーである」
って感じでしたね。動きがでたらめすぎて。ここまで意思が真っ二つに割れてしまうと、基本なら変身解除だと思うんですが、そうならないのは共生関係が進んでるがゆえ?ここまで意味分からない宇宙人感は、ウルトラシリーズでも初めてじゃないですか。

更に、ウルトラマンブレーザーは奇行を極め、防衛隊の第三次攻撃のミサイルをすべて咆哮による衝撃波で撃ち落とすという前代未聞の行動に。この際、クリスタル部分が燃えるかのように、青くエネルギーが揺らめいていたのは何の合図だろうか。ブレーザーの中でリミッターが外れた合図でしょうか。それとも怒りによるエネルギーの具現化?本当に、「どういうこと?ブレーザー?」という感じです。にしても、防衛隊の作戦。それも、ハルノ参謀長指揮の作戦での妨害行動。完全に、ハルノ参謀長からは怪獣と同質の存在と見なされた感じありますね。ブレーザーと防衛隊の関係、どうなることやら……

防衛隊の攻撃を妨害したブレーザーは、再度光の槍を引き抜き、何をするかと思えば、二重螺旋の光を解き、二種類の金色の糸状の光に。光の槍が解ける演出は非常に美しかったですね。敵を貫くためだけの武器ではなく、相手を包み込む道具でもある、と。

金色の糸状の光は親子のデマーガを包み込み、大きな繭に。繭の中で、眠りにつく親子。劇伴や演出も相まって、とても穏やかな気持ちに。ブレーザーのこと、蛮族とか言ってごめんね。君に、そんな優しい力があったなんて。元々、エネルギーとかかたちなきものを自在に操れる能力を持ったウルトラマンなのかもしれないですね。スパイラルバレードや、レインボー光輪でもそうですが。

今回の件、デマーガは倒されてないので何も解決はしてないようではありますが、人の無闇な行動によって、本来ならば休眠状態のデマーガを目覚めさせてしまっている。それを今一度、子と共に眠らせる。そうすることで、デマーガを無闇に出現させてしまった人災自体は解決はしてるんですよね。
確かに怪獣災害そのものはなにひとつ解決はしてないし、殲滅対象にあったデマーガを逃したことでウルトラマンも防衛隊から敵視されてもおかしくない状況になり、より状況が悪くなったところもあるという。ハルノ参謀長が今回のブレーザーの行いをどう見るか。どう判断するか。それが今後の展開を大きく左右しそうで怖いですね。

戦いのあと、丘の上で再会するヒルマ一家。パパが帰ってこない心細さと、パパが帰ってきた嬉しさとが入り混じった感じいいですよね。それにしてもこのときの、ジュンくんとゲントの会話。ここもまた、例の疑問に対する答え合わせになってますよね。

冒頭のパッドでブレーザーの戦闘を観てるジュンくんに対して、「おお、ブレーザーか。かっこいいよなあ」と、正体は明かせないなりに息子に見栄を張りたい感出してたゲントが、ジュンくんに「今日のブレーザーはよかった!今までで一番よかった!」と言われて、自信持って「そうだろそうだろ」みたいな感じじゃなくて、そっかみたいな感じの態度を取ってたのを見るに、デマーガを倒さんとしたのはやはりゲント隊長の意思ですよね、と。ジュンくん褒められてるのに、ちょっと納得言ってない感な顔してますし。

そのあと、性懲りもなく「ブレーザーどこがよかった?」とかジュンくんに聴いちゃうゲントパパ。冒頭で「ブレーザーか。かっこいいよなあ」と言われて素っ気ない返事してた怪獣派のジュンくんもニッコリな戦いの結末でしたし。そりゃあジュンくんも、「全部」って答えちゃいますよね。とはいえ、怪獣を助けたところじゃなくて、べらぼうな動きに対して、「今までで一番よかった」とか言っちゃうタイプのお子様だと、ちょっとアレですが。
子供が理不尽な目にあったり泣くような状況に対してウルトラマンが怒るというのをやりたい。と言うところから作られた話です。最終的に命に向き合う話になりました。答えは人それぞれかと。
— 越 知靖 (@juliet3comet) September 18, 2023
とりあえず子供達が笑っていられる世界が一番。画像は10話で一番好きなシーンです。#ウルトラマンブレーザー pic.twitter.com/J9fOpckHly
しかし、ホント叙述トリックみたいなお話だったなあ。サブタイトルから想像できない方向に話が進んだというか。親である前に防衛隊の隊長なのか。防衛隊の隊長である前に親なのか。ゲント隊長自身がウルトラマンであることをなんらかのかたちで試されるお話かと思えば、悪政を敷く代官に対して大魔神が怒るとか、ガメラは子供の味方みたいな具合というか。

本来ならば、掬われず見過ごされるような小さな悲しみに、ウルトラマンが怒りを燃やすみたいな。ちょっとウルトラシリーズでは類を見ないお話になったかな。またしても、越監督はウルトラシリーズに爪痕をしっかり残していきましたね。
命の選択も、家族か怪獣かみたいな選択なのかとか思ってましたし。デマーガを活かすか殺すかの選択だったとは。一本取られました。一番一本取られたのは、ブレーザーに怪獣を鎮める能力というか、手段があるということでしたが。一体、宇宙でどんな狩りをしてきたのか。とても気になってきました。
ただ、監督がやりたかったことはウルトラマンの怒りのほうであって、生命の選択のほうでなくて、結果的に命と向き合う話になった加減もあるんでしょうけれど。結果的にそういう話になったために、そのテーマを描くにあたっての前提条件クリアされてないというか。シチュエーションだけを切り取って観たら、それっぽく見えるんだけど全体を見渡してみると、歪なお話になってしまってたなって気がしますね。
■熔鉄怪獣デマーガ & ベビーデマーガ

『ウルトラマンX』第1話で鮮烈なデビューを飾って以来、すっかりお馴染みの怪獣になりましたデマーガ。今回、デマーガを撮るにあたって、デマーガは長男坊(みたいなもの)だから弱く見えるように描かないでほしいとの、田口清隆監督から直々に依頼があったとか。依頼というよりも釘を刺す?そんな具合もあってか、だいぶ強靭なデマーガとして描かれておりましたね。子を守る母は強し?みたいな。ママ怪獣なのか、パパ怪獣なのかはさておき。
身体の79%が熔けた鉄なんでしたっけ。出現すると、近くにあった川が沸騰して干上がるほどの高熱を持った怪獣だったわけですが、そういう描写は今回なかったですね。本来ならば山火事を誘発してもおかしくないみたいな。とはいえ、そんな高熱怪獣に冷凍ガスを浴びせたら、体を構成する鉄が砕けるのでは。砕けなくてよかったですけど。

アースガロンの全兵装攻撃を完全に耐えきった上で、熔鉄熱戦からの反撃で、アースガロンを一方的に蹂躙する。かつては後手に回りながらも、どうにか人間の力だけで怪獣災害と戦ってきた地球防衛隊の最新鋭の特殊戦術機甲獣がこうも容易くやられてしまっては、仮に人里に降りて街を破壊しだしたら、手がつけられなかったというヤツですよね。
ニジカガチは神か、それに準ずる高次元の存在が実体を持って怪獣化したもの。ガラモンは未知の宇宙合金で作られたロボット怪獣。人間の力では手に余るほどの相手だったとしても不思議ではないんですが。少なくともデマーガは、地球の天然自然に棲まう怪獣ですよね。これまでの出現については不明なものの、卵に関しての調査や処置。怪獣出現後の動きに関しても、あまりに思慮が足らなかったのが結構気になってます。勝てる戦いに敢えて負けに行ったみたいな。

いくらハルノ参謀長がタカ派だったとしても、持てる火力を全部ぶつけたら倒せるみたいな考えは非常に甘かったと思うんですよね。ウルトラマンブレーザーがいなかったら、鬼湧谷一帯はぺんぺん草一本さえ残ってない焦土になっていてもおかしくはなかったですよね。デマーガの怒り具合からしたら。
デマーガが強いとか、弱いとか以前に、これまで怪獣を対処してきた組織にしてはあまりに作戦が雑というか、練度が甘い。初めて怪獣に対処する組織ならば仕方ないが、もう設立して60年くらいになる設定でしたよね?地球防衛隊って。シナリオ的に、生命の重さについてを重視するあまり、軍事描写についてはディテール不足みたいな感じになってしまっているところがあった気がします。

それ以上に、どうして怪獣災害が起こる可能性も予測できた鬼湧谷に、家族を連れて行ってしまったのか。放送前のインタビューで脚本に関しては、こうはならないだろという部分をみんなでつっこんで直している。脚本はかなり時間かけて作り込んでるみたいなお話をしてた気がするんですが。セットとか、世界観の作り込みに関しては、ハードSFの領域まで来てる感じはあるものの、脚本に関してはハードSFとして見るにはディテールが足りてないかなあ、とか。
それもあって、確かにデマーガは強かったけど、見たかった強さとは違うというか。全兵装攻撃とかに耐えきる強靭さについては納得していますが。凄いの始まったな!みたいなワクワク感の強かった第1話からすると、お話の中の問いかけについては考えさせられるけど、なんか違うんだよなあみたいな気持ちがよぎるというか。

そして、今回初登場のベビーデマーガ。デマーガの成体はあんなに巨大なのに、生まれたての子供は人間より若干大きい程度で、一体何喰って育つんだろう?鉄?それとも、マグロ?(何故マグロ)と気になっておりました。ベビーゴジラも、次の作品で一気に30メートルぐらいに大きくなってたので、デマーガもきっと1年ぐらいで一気に育つのかな。とはいえ、ベビーゴジラはゴジラの放射能の影響で急成長かつ、巨大化したんでしたっけ。デマーガからは放射能は出てないと思うので、時間かけてすくすく大きくなっていくのかもですね。
ジュンくんの目の前で、ベビーデマーガが無惨に生命を奪われるような悲しい展開にならなくてよかったなと思う反面、こいつが大きくなって暴れ出した日には、誰にもあの日の赤ちゃんだとは思わないから、殲滅されてしまうのかなあ、とか。少なからず人とのふれあいがあったベビーゴジラと違って、完全に人間からは殲滅対象として観られてましたしね。まあ、活かしておいても厄介な怪獣であることは、これまでのシリーズ観てる方々すればご存知ではあると思うんですが。
せめて研究対象として研究施設に持ち帰った卵が孵化して、研究員とか、例えば偶々そこに来てきたジュンくんを親だと思うみたいなイベントでもあれば、人に優しいデマーガになっていくのでしょうけれども。人によって怖い思いをさせられてしまっているので、どうか人に恨みを持ったデマーガに育たないでほしいと思うばかりです。人がまず怪獣に優しくないのに、身勝手なお願いではあるんですが。何にしても、今はおやすみ。ベビー。
■次回予告
そろそろ折り返し地点で、中ボス登場と言ったところなんでしょうけれども。ニジカガチ戦で、レールキャノンの弾丸が大気圏を離脱した際に「これなら宇宙から何が来ても撃墜できるな」なんてゲント隊長が言ってましたけども。ガラモンといい、今回の謎の敵といい、隕石降り過ぎじゃないですかね。あのセリフで、何かしらのフラグが立ってしまったか?
というか、『ウルトラマンブレーザー』本編に登場する14体の怪獣が発表されたプレミア発表会のときでも、こんなヤツいませんでしたよね?な、なんだこいつは。まさか、『ウルトラマンブレーザー』も恐怖の円盤生物シリーズに突入か!?(ぇ なんか円盤生物っぽいですよね。登場シチュエーションも含め。
次回の『ウルトラマンブレーザー』 第11話「エスケープ」。第1話「ファースト・ウェイブ」以来のカタカナサブタイですが、物語の重要地点はそういう感じになるんでしょうかね。にしても、エスケープか。「あなたはいいものかしら?」と問いかけてくるある組織の女幹部とはまったく関係ないですよね。当たり前ですね。とすると……
Ah…
Screaming out an SOS
Screaming out an SOS
Screaming out an SOS
Ah…
screaming out an SOS
引用: ESCAPE 歌詞 Moon Child ふりがな付 - うたてん
ってな感じですかね(何が
でも、本当にSOSを叫びながら、エスケープしなきゃいけないくらいヤバい敵ってことですよね。次回のアイツ。やっぱり円盤生物では?違うの?
©円谷プロ
©ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京
©ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京
- 関連記事
-
-
感想 ウルトラマンブレーザー 第12話「いくぞブレーザー!」 ‐使”命”へと伸ばす、その手が掴むもの‐
-
感想 ウルトラマンブレーザー 第11話「エスケープ」 - 破滅を招く者、宇宙より -
-
感想 ウルトラマンブレーザー 第10話「親と子」- ゲントとブレーザー、せめぎ合うふたつの意思(こころ) -
-
感想 ウルトラマンブレーザー 第9話「オトノホシ」 - セミ人間の奏でる旋律に、ガラモンは踊る -
-
感想 ウルトラマンブレーザー 第8話「虹が出た 後編」 - 絶対奪ってはならない一番大切なもの -
-